中共の政府債務100兆元突破 専門家「実態は300兆元規模」

2026/06/17
更新: 2026/06/17

中国経済は持続的に減速しており、政府債務は急速に膨張している。中国人民銀行の最新の発表によれば、政府債券の残高はすでに100兆元を突破している。専門家は、各種の「隠れ債務」を加えれば実際の規模は300兆元に迫っている可能性があり、政府債務は中国経済の時限爆弾で、いつ爆発してもおかしくないと指摘している。

今月12日、中国人民銀行が発表した5月の金融統計によると、5月末時点で政府債券残高は100兆6千億元に増加し、前年同期比で15.1%増となっている。

債務急増の主因は中央の財政政策である。当局は景気と投資の安定を図るため債券発行を拡大し、隠れ債務の借り換えも進めたことで総額が膨らんだ。2024年11月に承認された12兆元規模の債務整理(化債)計画も、債務拡大を後押ししている。

2024年の政府債務は82兆1千億元、負債比率は68.7%と警戒ラインの60%を上回った。昨年には96兆元まで増加し、現在は100兆元を突破している。

これについて米経済学者・李恒青氏は、公式統計には各種の隠れ債務が含まれていないと指摘している。

「地方政府債務を加えると、すでに公表されている規模は60兆元を超えており、80兆〜90兆元に達している可能性がある。つまり政府債務全体は200兆〜300兆元に近く、GDPの2倍から3倍に相当する」

李氏は、中国は「借金で給与を払い、借金で建設し、借金でバラマキを行う」悪循環に陥っていると指摘する。地方財政は枯渇し、人員削減や給与未払いが広がる可能性があるとの考えを示した。

「財政的に使える余地はますます狭まっている。さらに超長期国債を発行し、既存の債務も1年や5年延長している。30年、50年といった超長期国債も発行し、危機を先送りしているだけだ」

李氏は、債券発行は短期的な資金繰りの延命策に過ぎず、中国経済の自己再生能力はすでに失われていると警告する。「借金で借金を返す」構造はいずれ破綻し、悪性インフレを招く可能性があるという。

大紀元のコラムニストである王赫氏は「中共の債務はすでに後戻りできない段階にあり、総債務はGDP比300%を超えている可能性がある。隠れ債務は公式にはごく一部しか認められていない。中共が公表している隠れ債務は14.2兆元に過ぎないが、実態とは大きく異なる」と指摘した。

今年4月、カナダのデータ分析会社ビジュアル・キャピタリストは、中共当局の政府債務が2008年以降、年平均約17%のペースで増加し、2025年末には18.7兆ドルに達すると報告した。

一方、中共財政部の発表では、昨年末時点の政府債務は約96兆元とされており、為替換算すると前述の推計より約34兆元少なくなっている。

王赫氏は「中共は財政赤字の拡大と支出増加が続く中、借入を重ねる以外に選択肢がなく、政府債務は今後も膨張を続けるだろう。その結果、政府債務問題は中国経済にとって除去不可能な時限爆弾となっている」と述べた。

さらに、王氏は政府債務の多くが国有銀行などに吸収され、財政リスクが金融システムへ波及していると警告している。「政府債務が破綻すれば銀行システムも連鎖的に破綻します。銀行は中国金融の中核であり、それが崩れれば金融危機は避けられない。最終的には中国経済全体が崩壊する」

李恒青氏は、習近平政権が金融リスクの防止を繰り返し強調していることについて、当局も構造問題を認識しているが、抜本的な改革を行えば自身の政権が揺らぐため先送りしていると述べている。

「将来の資金を前倒しで消費する形でやりくりし、地雷の爆発時期を先送りしているだけだ。とにかく自分たちの任期さえ乗り切れればよく、問題を後の世代に押し付けてしまえば、その先にどんな大きな混乱や危機が来ようと関知しない、そうした発想に基づいていいる」

研究データによれば、2022年の地方政府の債務比率は332%に達し、特に重慶、天津、貴州、黒竜江、湖北、新疆ウイグル自治区などでは600%を超える地域も存在している。