ハリウッド中国依存の終焉 市場シェア急落と国内回帰の動き

2026/06/12
更新: 2026/06/12

アメリカの映画プロデューサー、クリス・フェントン氏は、ハリウッドが長年依存してきた中国市場中心の成長モデルについて、持続は難しいとの認識を示した。そのうえで、アメリカの映画産業は国内制作に重点を移し、雇用の創出と産業の回復を図る必要があると述べた。  

フォックスニュースが6月11日に伝えたところによると、フェントン氏はインタビューの中で、米中エンターテインメント産業の協力が最も活発だった時期を経験したと説明した。当時は中国が重要な海外市場として広く認識されていたという。  

一方で、その後、中国共産党との協力関係には大きな代償が伴うことに気づいたと指摘した。  

フェントン氏はハリウッドでおよそ20年活動し、『アイアンマン3』(Iron Man 3)などの作品の中国市場展開に関わってきた。  

その中で、一部のアメリカの映画会社は、中国市場への参入のため、中共当局の要求に合わせて作品内容や事業戦略の変更を余儀なくされたとしている。  

また、こうした動きは中国の映画産業の成長を後押ししただけでなく、中国側の主張が作品を通じて広がる結果にもつながったとしている。  

具体例として、2012年公開の映画『LOOPER/ルーパー』(Looper)を挙げた。作品の一部設定は当初フランスが舞台だったが、その後、中国市場を意識して変更され、中国での撮影が行われたという。  

ただ、こうした対応は結果的にハリウッドの中国市場での地位維持にはつながらなかったと指摘した。  

フェントン氏は「かつて中国の映画市場ではハリウッド作品が50%から80%程度を占めていたが、現在は5%未満に落ち込んでいる」と述べた。  

新作は米国内で制作 約1200人が関与  

フェントン氏は2019年前後から、中国市場への過度な依存のリスクについて発言を続けている。あわせて、国内制作の可能性を示す取り組みも進めてきた。  

最新作のコメディ映画『バッド・カウンセラーズ』(Bad Counselors)もその一つである。  

この作品はすべてアメリカ国内で制作され、出演者やスタッフ、関連業者も含め、全員がアメリカ人で構成されている。  

内容は、裁判所の命令による社会奉仕活動の期間中に、男子学生クラブのメンバー2人がキリスト教のサマーキャンプのカウンセラーを装い、騒動を引き起こすというものである。  

制作にはおよそ1200人が関わったとしている。作品は7月23日から27日まで、ファゾム・エンターテインメントによりアメリカの劇場で公開される予定である。  

近年、アメリカの映像産業では人員削減が進む一方、各国政府が補助金などを通じて映画制作の誘致を進めている。  

こうした状況を受け、フェントン氏は映画やテレビ制作を国内にとどめるため、連邦レベルでの支援策の導入を求めている。  

さらに、アメリカには世界有数の制作インフラと専門人材があるとしたうえで、条件が整えば、およそ270万人の関連雇用と2500億ドル(約39兆円)の賃金収入を国内にもたらす可能性があるとの見方を示した。  

高杉