米議員が法案提出 連邦資金による科学研究を中共に利用させない

2026/05/16
更新: 2026/05/16

米国下院「中国共産党に対抗するための特別委員会」委員長で共和党のジョン・ムーレナー下院議員(ミシガン州)は14日、共和党のジム・バンクス上院議員(インディアナ州)と共同で「敵対勢力から技術革新と研究を守る法案(Securing Innovation and Research from Adversaries Act)」を提出した。

同法案は、米国政府のブラックリストに登録された組織・個人との共同研究に連邦資金を充てることを全面的に禁止することを明記している。リスト登録先の多くは中共の軍・情報機関および軍民融合戦略と関連する組織・個人だ。

特別委員会は昨年、こうした対応の緊急性を強調し、連邦のSTEM(科学・技術・工学・数学)助成金は中共の軍・情報機関と協力関係にある機関や研究者の支援に決して用いられるべきでないと指摘していた。今回の法案はこの優先課題の実現を目的とするものだ。

法案は「研究協力」を広義に定義し、共同研究プロジェクト、共著論文、データ共有、人員交流、その他あらゆる形態の協力を対象とすることで、技術移転のあらゆる潜在的経路を遮断できるよう措置している。同法案は大学、国家研究所、民間団体を含む連邦研究資金の受領者すべてに適用される。

また、国家安全保障、科学的利益、または公衆衛生上の利益に関わる場合には「特定の適用除外」を設ける仕組みも盛り込まれているが、適用除外の乱用を防ぐため、決定過程の透明性確保と議会への通知を義務付けている。

特別委員会のこれまでの調査では、中共が学術界の開放性、研究パートナーシップ、科学協力を積極的に利用して機微技術を取得し、自国の軍事力増強に役立ててきた実態が繰り返し明らかにされてきた。このため、同法案が連邦助成を受けた研究者に対し、中共の軍事関連企業を含む重要制限リスト掲載組織との共同研究を禁じることは、米国の技術的優位を守るうえで重要な一歩となる。

ムーレナー議員は声明で次のように述べた。

「トランプ政権と国防省は米国の科学研究のセキュリティを大幅に改善した。この法案はトランプ大統領の行政命令を実質的な法律へと転換するものだ。納税者が資金を拠出する研究が決して敵の手に渡らないようにしなければならない。政府各省庁と大学は、米国に対して使用される恐れのある『デュアルユース技術』について中共の研究者と協力することがないよう、より厳格な管理を徹底しなければならない」

バンクス議員は声明で「中共は米国の科学研究資金を直接・間接を問わず一銭たりとも得るべきでない。この法案は、中共の悪意ある活動への関与を理由に米国がブラックリストに載せた個人・組織に納税者のカネが渡らないようにするものだ。米国は敵に対する資金提供をやめなければならない」と強調した。

法案の提出は立法手続きの第一歩にすぎない。上下両院がそれぞれ同一内容の法案を可決し、大統領が署名して初めて正式な法律となる。

呉瑞昌