イランが中国タンカーを攻撃 北京への警告との見方も

中国メディア「財新網」は7日、5月4日、中国船主が所有する大型の石油製品タンカーが、ホルムズ海峡の入口付近、アラブ首長国連邦のアル・ジャジーラ港沖で攻撃を受け、甲板で火災が発生したと報じた。船体には「中国船主・中国船員」との表示があったが、それでも攻撃を受けたという。

情報筋によると、中国タンカーがホルムズ海峡で攻撃を受けたことについて、中国共産党(中共)当局は強い衝撃を受けているという。中共とイランはこれまで、親密な関係にあるとされてきた。

事件が報じられた後、中共当局は中国との関連を小さく見せようとした。外務省は8日、攻撃を受けた船舶は外国籍であり、船内には中国籍の船員が乗っていたと説明した。

事件はイラン外相の北京訪問中に起きたため、さまざまな憶測を呼んでいる。

専門家の間では、背景にイラン内部の権力闘争があるとの見方に加え、イラン側が中共に以前から不満を抱いていたことも関係しているとの指摘がある。特に今回の米イラン衝突をめぐり、イラン側に立つよう中共に促す警告の意味もあったとの見方も出ている。

時事評論家の藍述氏は、「今回、イラン軍が中国タンカーを攻撃したことは、二つの可能性を示している。一つは、イランの体制内部で、上層部に限らず、官僚機構や軍の中下層にまで、中共への強い不満が広がっているということだ。主な理由は、アメリカがイランに軍事行動を取った後、中共が国際社会でイラン支持や反米姿勢を十分に示さなかったことにある」と述べた。

「ほかにも、中共がイランに圧力をかけたことで、イラン側が反発した可能性もある」と分析した。

長年にわたり中共とイランの関係は密接で、反米同盟とみなされてきた。しかし今回の米イラン衝突を通じて、両国の関係は真の戦略的同盟ではなく、利害で結びついた協力関係にすぎないことが浮き彫りになったと指摘された。

中共にとって、イランとの関係で最も重要なのは、エネルギー供給と航路の安全だ。中共は中東のエネルギーに大きく依存している一方で、イランとともに政治・軍事面のリスクを負うことには消極的だ。。そのため、両国の関係は相互信頼というより、互いに利用し合う関係に近いとみられている。

李林一氏は、「中共とイランの関係は、必ずしも良好とはいえないということがうかがえる。また、中共のイランに対する影響力も、見られているほど大きくない可能性がある。だからこそ、中国タンカーが繰り返し攻撃されるだろう」と述べた。

今回の中国タンカーへの攻撃を受け、中共が今後、イランとの協力関係を見直すかどうかも焦点となっている。