中国 海外製を装い高額販売の実態

中国で売上トップサプリが「産地偽装」 誰が信頼を演出したのか

2026/04/04
更新: 2026/04/04

中国の大手通販サイトで売り上げトップだったサプリブランド「優思益(ユースイー)」をめぐり、「オーストラリア製」と表示しながら実際は中国製だった問題が波紋を広げている。

この問題を受け、中国当局は、動画アプリの抖音(中国版TikTok)、通販大手の淘宝・天猫を運営する淘天グループ、SNSのRED(小紅書)の3社を呼び出し、事情聴取を行うなどの対応に乗り出した。

「優思益」はこれまで、抖音や天猫で目の健康サプリで売り上げトップを長期間維持してきた人気ブランドだった。動画配信やライブ販売を通じて急速に知名度を広げ、多くの消費者が購入していた。

しかし調査の結果、商品は中国国内で製造していたことが判明。オーストラリアの所在地としていた住所も、実際には自動車修理工場だったことが明らかになり、ブランドへの信頼は大きく揺らいだ。

さらに問題は、販売の仕組みそのものにも及んでいる。

マーケティングを担当した杭州の企業は、ブランドの背景を作り上げたことを認めている。海外ブランドのように見せるためのストーリーを作り、1件あたり2~3万元(約40~65万円)で国際的な賞を購入。さらに外国人を専門家として登場させ、中国製の商品を「海外製」のように見せかけて販売していたという。

製造コストと販売価格には大きな開きがあった。製造コストは1本あたり約20元(約460円前後)とする一方、販売価格は300元以上(約7千円前後)。差額の多くは広告費に使われ、その大半が動画アプリや通販サイトでの宣伝に投入していたとみられる。

こうした販売を支えていたのが、人気配信者やインフルエンサーによる紹介だった。いわゆるおすすめ紹介によって商品が広まり、売り上げトップに押し上げたとみられる。

 

海外製と表示しながら実際は中国製だった問題のサプリブランド「優思益」の販売ページ (スクリーンショット)

 

問題発覚後、「優思益」は複数の通販サイトで公式店舗をすべて閉鎖。商品は販売停止となり、ブランド側の発信も確認できなくなっている。

購入者の間では返金や返品を求める声が広がっているが、すでに店舗と連絡が取れないケースが相次いでいる。さらに、購入から一定期間が過ぎるとサポートの対象外とする仕組みもあり、多くの消費者が対応の窓口を見つけられず、事実上の泣き寝入り状態に置かれている。

売り上げトップにまで上り詰めた商品で起きた今回の問題は、単なる一企業の不正にとどまらない。海外ブランドを装い、賞や専門家の肩書きを作り、SNSで拡散して高額販売する。この一連の流れは繰り返されてきた手法だ。

ネット上では、「これは氷山の一角にすぎない」「同じような商品があふれている」「海外風に見せて高く売るやり方は当たり前のように横行している」といった声が相次いでいる。

さらに、「なぜここまで放置してきたのか」「仕組みそのものを見直さなければ同じことが繰り返される」と、制度の抜本的な見直しを求める声も広がっている。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!