昨年から運用されている韓国の電子入国申告書で、中国共産党(中共)の方式を踏襲し、「台湾」の前に「中国」と記載される状況が続いている。これに対し中華民国(台湾)側は抗議を重ねてきたが、改善が見られないことから、関係当局が対応に踏み切った。台湾が発行する外僑居留証などの公的書類では、従来の「韓国」の表記を「南韓」に改めている。
台湾メディアは3月18日、昨年の台湾から韓国への渡航者数が172万人に達し、過去最多を更新したと報じた。一方で、韓国が昨年2月に運用を開始した電子入国申告書では、台湾が「CHINA(TAIWAN)」と表記されている。台湾外交部はこれまで複数回抗議してきたが、韓国政府から明確な回答は得ていない。
こうした状況を受け、台湾側は対抗措置として、「外国人居留証」上の韓国の名称を「南韓」に変更した。
外交部の林佳龍部長は、韓国政府が問題を前向きに受け止めるよう期待を示し、「韓国外交部はこの問題を重視し、協議を進める意向を示している。我々は回答を待っており、引き続き交渉を進めていく。相手側には検討の時間を与えている」と述べた。そのうえで、3月31日までに前向きな対応がなければ、次の措置も検討すると明らかにした。
また林氏は、台韓関係は実質的に良好であり、韓国政府には台湾の民意を尊重してほしいと強調した。「韓国国内の世論も同様の傾向を示しており、政府もそれに応じることを期待する」と述べた。
昨年12月には、頼清徳総統は韓国に対し、台湾の意思を尊重するよう公に呼びかけている。さらに外交部の呉志中政務次長も韓国メディアのインタビューで、欧米や日本と同様に「台湾(Taiwan)」と表記するよう求めていたが、韓国政府はこれまで対応を示していない。
メディアの分析によれば、台湾が韓国の表記を「南韓」に変更したことは、極めて精密な打撃だという。「南韓」という呼称には、朝鮮半島が不完全な状態であることや北朝鮮との冷戦状態を暗示するニュアンスが含まれており、国家としての正統性を認めない「地域呼称」への格下げという意味合いが含まれているからだ。
台湾紙「自由時報」によると、韓国のネット上ではこの対応に対する反応は分かれている。オンライン掲示板「FMKorea」では台湾を揶揄する投稿が多く見られ、こうした声は中共系メディアにも引用され、「台湾の対抗措置に韓国ネットが揶揄」といった形で報じられた。
一方、韓国主要紙「朝鮮日報」の関連記事には、台湾を支持するコメントが多数寄せられた。李在明(イ・ジェミョン)政権に対し、「強者には卑屈で、弱者には厳しい」「そこまでして中国(中共)に媚を売りたいのか、正気か」「中共には『シェシェ(謝謝)』と言っておけばいいと主張する者がトップになったからこうなるのだ」といった痛烈な批判が相次いでいる。中には「(韓国側の無礼を)どうか許してほしい」と台湾に謝罪する書き込みも多数見られた。
さらにSNS上では、中国や日本のユーザーから「『南韓』では不十分で、むしろ『南朝鮮』とすべきだ」との意見も見られた。
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