2026年3月10日の東京株式市場において、日経平均株価は前日比で一時1900円を超える大幅な反発を見せ、5万4600円台を付けた。前日の9日に日経平均株価は過去3番目の下げ幅で2892円安を記録しており、約1カ月ぶりの安値水準となったことによる値ごろ感も相場を支える要因となった。
急反発の最大の背景にあるのは、緊迫していた中東情勢の早期終結シナリオに対する市場の期待感である。米国時間の9日、トランプ米大統領はメディアの取材に対し「戦争はほぼ終了した」と明言した。トランプ大統領は米国の攻撃によってイランの反撃能力がかなり削がれた点を強調し、「新たな国を建設する始まりだ」とも語った。この発言をきっかけに、事実上の封鎖状態にある原油輸送の要衝・ホルムズ海峡において、トランプ政権が米軍による輸送タンカーの護衛などを進め、原油価格を押し下げるとの期待が市場で浮上している。
実際に米国の原油先物相場は急落し、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物は一時1バレル81ドル台前半まで下落、わずか1日程度の間に40ドル近くも急落する展開となった。同日の米株式市場でも投資家心理が改善し、ダウ工業株30種平均は前週末比239ドル高と反発して取引を終えている。
これを受けて10日の東京市場でもリスク回避姿勢が和らぎ、東証プライム市場の約9割の銘柄が上昇する全面高の展開となった。とりわけ、人工知能(AI)や半導体関連銘柄を中心とした主力株への買い戻しが目立っている。来週に米国で予定されているエヌビディアのAI関連カンファレンスへの注目も集まるなか、アドバンテストや東京エレクトロンといった半導体関連株のほか、フジクラや住友電気工業などの電線株が大幅高となり、指数を力強く牽引した。そのほか、ファーストリテイリングやソフトバンクグループ(SBG)なども上昇している。
市場関係者からは、「中東情勢に対する警戒感は完全には解けていないものの、短期的な相場回復を見込んだ買いが入っている」との見方が示されており、地政学リスクの緩和が日本株の急回復を後押しする形となった。
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