米NYを拠点とする神韻芸術団は2月25日から、2026年の豪州4大都市における計30公演のツアーを開始した。しかし、開幕を目前に控えた数日前、現地の主催団体に中国語による脅迫メールが2通届き、公演の中止を要求する事態となった。
メールには「爆薬をアルバニージー豪首相の官邸周辺に設置した」と虚偽の主張を行い「公演を続行すれば爆破する」と書かれていた。
これを受け、豪連邦警察は2月24日、キャンベラの首相公邸を捜索。アルバニージー首相は数時間にわたり別の安全な場所へ退避した。
警察は捜索後「不審物は発見されなかった」と発表し、公共の安全に脅威はないと強調した。
主催者側は「神韻の公演は予定通り実施され、今後の公演も継続する」と表明した。
各国でも同様の脅迫
数週間前にはイギリス、韓国、デンマークの首脳にも同様に虚偽の脅迫メールが送付されていた。過去2年間、神韻は爆破予告やメールによる脅迫や嫌がらせなど、中共が関与するとされる継続的な越境的な妨害行為を受けてきたという。
神韻芸術団は米ニューヨークに本部を置き、2006年に中共の迫害を受けた法輪功学習者らによって設立された。現在は8つの団体を擁し、世界各地で年間数百公演を行う。演目は、共産主義以前の中国の伝統文化を主軸としつつ、法輪功学習者が受けた迫害の実態を描く内容も含まれる。
豪政界から非難相次ぐ
今回の爆破予告により首相が公邸を離れる事態となったことは、豪主要メディアでも大きく報じられ、社会各界から強い非難の声が上がった。バーナビー・ジョイス下院議員は、「オーストラリアの文化を脅かさず、他者の権利を侵害しない形で信仰を実践する団体を脅迫することは、完全に容認できない」と述べた。
また、オーストラリア法輪大法学会の趙会長は「中共による神韻および法輪功への越境弾圧を強く非難する。これは異議を唱える人々を沈黙させ、公演を阻止するための憎悪による犯罪でありテロ的脅迫である。我々は屈せず、安全に公演を実現させるために一層努力する」と語った。
「専制政権からの文化的指図は受け入れない」
今回の脅迫に先立ち、中国駐シドニー・メルボルン両総領事館は1月2日、公式サイトに声明を掲載。法輪功や神韻に関する従来の主張を繰り返し、オーストラリア市民に鑑賞しないよう呼びかけていた。
これに対し、ラルフバレット上院議員は「我々は自由な国家であり、専制的な政権からの文化的指図は受け入れない。中共政権は芸術を検閲し、信仰を弾圧し、異論者を投獄している」と批判。
さらに、「中共は中国文化を所有していない。すべての華人を代表するものでもなく、検閲や脅迫をオーストラリアへ輸出する資格はない」と強調した。
今回の一連の騒動は、文化活動をめぐる外国政府の影響力行使と国内安全保障の問題を浮き彫りにしている。オーストラリア政府は引き続き警戒を強める構えで、神韻の巡回ツアーは厳重な警備のもとで進められている。
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