米国 対中高関税の長期化を示唆 USTR代表「中国の根本変化は期待せず」

2026/05/28
更新: 2026/05/28

5月26日、米通商代表部(USTR)のグリア代表は、米外交問題評議会のフォーラムで、中国製品のうち、どの品目に低い関税を適用するかについて、国民から意見を募る方針を示した。グリア氏は、中国共産党(中共)統治下の中国で根本的な変化が起きることはないとの認識を米政府はすでに明確にしていると強調し、アメリカの対中関税は今後、他国に対する関税よりも長期的に高い水準にとどまる可能性が高いと述べた。

グリア氏は「アメリカの労働者はいま、より多くの製品を生産し、売上も伸び、収入もこれまでになく高い水準にある。したがって、製造業の雇用統計が今後どのような動きを見せるかは非常に興味深い。先ほど述べたように、われわれは流れを変えたのだ」と述べた。

また、各種指標はトランプ政権が望む方向に進んでいるとしながらも、変化には時間がかかるとの見方を示した。

中国については、米政府はもはや、中共統治下の中国で政治・経済体制の全面的な改革が起きるとは期待していないと指摘した。そのうえで、対中関税は今後も、他国に対する関税より高い水準に維持される可能性が高いと述べた。

また、中国向けの170億ドル規模の農産品とボーイング機の輸出については、「戦略的安定」と「秩序ある貿易」の始まりだとの認識を示した。

グリア氏は、「われわれは関税を維持している。同時に、一定程度の貿易管理を続けようとしている。たとえば、われわれが販売する農産品がそうだ。これはこれまで常に販売してきたものであり、今後も続けていく。また、レアアースの受け入れを継続し、サプライチェーン上のボトルネックの解消にも取り組んでいる。さらに、双方の関係を管理するため、貿易委員会や投資委員会といった仕組みを設けることにも合意した」と語った。

報道によると、米中は「貿易委員会」を設置し、約300億ドル規模の非戦略的商品について、相互に関税を引き下げる、または撤廃することで合意した。

一方、米、メキシコ、カナダは、アメリカ・メキシコ・カナダ協定の今後をめぐる協議に向けて準備を進めている。

グリア氏は、「メキシコは、アメリカが中国やアジアへの依存から脱却し、経済を多角化する過程で、主要な受益国の一つとなってきた」と述べ、「実際に、主要な受益国の一つだ。そのため、過去12か月でアメリカの貿易赤字は減少したものの、メキシコからの輸入品の割合は上昇している」と指摘した。

同氏は、メキシコとの交渉は実りあるものになるとの見通しを示した。一方、カナダとの貿易交渉については、トランプ大統領の2期目を通じて緊張した状態が続いているとしている。

「カナダの対応は異なる。カナダは中国と同じように、米国に報復した。世界で米国に関税報復を行った国は二つしかない。中華人民共和国とカナダだ」

グリア氏は、アメリカの一連の措置により、新たな国際秩序が形成されつつあると述べた。そのうえで、各国は安全保障、サプライチェーン、産業上の優先事項などを踏まえ、貿易相手国を区別して扱うことができるべきだとの考えを示した。