カナダ海軍艦艇が台湾海峡を通過 中国の警告を無視

2026/05/29
更新: 2026/05/29

カナダは先ごろ、中国共産党(中共)政府からの警告を無視して軍艦を台湾海峡に通過させた。

カナダ王立海軍のフリゲート艦HMCSシャーロットタウンが先週この航行を実施したと、グローブ・アンド・メール紙が5月28日に最初に報じた。カナダのダニエル・ブルーアン国防省報道官は「通例の航行」だったとして大紀元に事実を認めた。

「2026年5月22日、HMCSシャーロットタウンは台湾海峡の通例の通過航行を実施し、5月23日に完了した」と、ブルーアン氏はメールで述べた。

中共政府が主権を主張する同海域への通過航行は、カナダ海軍にとって2025年9月以来初めてとなる。前回はフリゲート艦HMCSヴィル・ド・ケベックがオーストラリアの駆逐艦HMASブリスベンとともに航行し、カナダ軍は台湾海峡の通過が「自由で開かれたインド太平洋を支持するものだ」と表明していた。台湾は当時この動きを歓迎した一方、中共政府は「挑発行為」と反発した。

カナダにある台湾の出先機関は5月28日のX(旧ツイッター)への投稿で、HMCSシャーロットタウンによる今回の通過航行を「意義深い」と評した。中国外務省は同日時点で公式な反応を示していない。

カナダ軍艦の通過航行は、中国外務省の王毅外相がカナダに到着する数日前に行われた。王毅氏は5月28日から30日にかけてカナダに滞在しており、カナダ政府は中共政府との関係強化を図っている。

中共政府は台湾を「離反した省」と位置付け、同島の支配を目指している。また中共政府は台湾海峡を国際水域ではなく内海と見なしている。台湾は中国共産党の支配下に置かれたことはなく、1949年に内戦で敗れた国民党の拠点となった。

中共政府の王棣大使は4月にグローブ・アンド・メール紙のインタビューで、カナダが台湾海峡に軍艦を派遣したり議員を台湾に派遣したりすることは二国間関係を損なうおそれがあるとして自制を求めた。軍艦の通過は「嫌がらせ、さらには挑発行為」に当たり「一つの中国原則」と「中国の領土保全」に違反するとも述べた。

カナダ政府は台湾を公式に承認しない「一つの中国」原則を堅持しているが、台湾との経済関係は維持しており、議員が台北を訪問して台湾当局者と会談することも定期的に行われている。

カナダはかつて台湾政府を中国の正統政府として承認していたが、ピエール・トルドー首相の下で1970年に承認先を中共政府に切り替え、それを行った最初の西側諸国の一つとなった。

保守党のマイケル・チョン議員は先週、王大使の訪問自制要求に反して台湾を訪問し、頼清徳総統と会談した。チョン氏は中共政府から制裁を受けており、技術的には中国本土に入国できない立場にある。

「下院による台湾の国際社会への参加支持を深く重く受け止め、台湾・カナダ関係のさらなる発展を期待する」と頼総統は5月20日のX投稿で述べた。

チョン氏は訪問前に、今回の訪台には二つの目的があると語っていた。一つは中国共産党による「威圧の最前線に立つ民主主義国家との連帯を示すこと」もう一つはカナダの主権を主張することだ。

「外国政府から、カナダ国会議員の渡航先やカナダ海軍艦艇が国際水域のどこを航行するかについて指示を受ける立場にはない」と同氏は声明で述べた。

他の保守党議員らも1月に台湾を訪問しており、自由党のヘレナ・ヤチェク、マリー=フランス・ラロンド両議員も同行していた。ただしヤチェク、ラロンド両氏は、カーニー首相の同月の訪中を前に途中でオタワへ呼び戻された。

カーニー首相は米国による関税への対応として貿易の多角化戦略の一環で対中関係の強化を図っており、北京訪問後には中国との「新たな戦略的パートナーシップ」を成果として強調した。

カナダ政府と台湾政府は1年以上前に貿易協力協定に署名したが、いまだ発効していない。カナダにある台湾の代表機関のハリー・ツェン氏は以前、カーニー政権が中共政府との関係を優先していることが遅延の原因だと示唆していた。

カーニー首相は2月、台湾との関係を持つことを「恐れて」いないとしつつも、「対中貿易関係の強化に注力している」と付け加えた。

モントリオールを拠点とするエポックタイムズ記者。Twitter: @NChartierET