米国防総省は2月9日、米軍がインド洋でタンカー1隻を拿捕したと確認した。問題の船舶はベネズエラ産原油を積載し、中国に向けて航行していた疑いがあり、船名は「アクイラ2号(Aquila II)」という。今回の作戦はカリブ海からインド洋まで追跡を続け、ほぼ地球半周に及んだ。
ピート・ヘグセス米国防長官はX(旧ツイッター)への投稿で、前夜、米軍が武力衝突なく同船に対し海上臨検権(Right-of-visit)を行使し、拿捕と立ち入り検査を実施したと明らかにした。ヘグセス長官は、同船が追跡を回避しようとしたが、米軍が監視を継続し追尾したと説明し、制裁を回避しようとする「影の船団」に対し、米国は世界規模で拿捕を実行する能力があると警告した。
ヘグセス長官は、「アクイラ2号」はスエズ型タンカーで、カリブ海で特定された時点から米軍の重点監視対象となっていたと述べた。今回の作戦は、米軍の封鎖計画「サザン・スピア」の一環であるという。米国側が先月、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を拘束した後、ドナルド・トランプ大統領はベネズエラに対する全面的な石油封鎖を命じていた。
ロイター通信は、ベネズエラ国営石油会社PDVSAの船舶運航スケジュール資料として、同タンカーが約70万バレルの重質原油を積載し、中国向けに出航する予定だったと報じた。
ヘグセス長官は、「アクイラ2号」が米国による制裁対象船舶への「隔離措置」を無視したため、米軍がカリブ海から追跡を開始したと説明した。現在「アクイラ2号」は米軍の管理下にあるが、船籍は確認されていないという。
従来、中国はベネズエラ産原油の主要な買い手だった。外貨を必要とするニコラス・マドゥロ政権にとって、中国は封鎖を回避する重要な輸出先となっていた。関連タンカーは海上で積み替えを行うか、マレーシアやインドネシア周辺海域で船籍を変更した後、中国へ向かうことが多く、インド洋はこれらの地域を結ぶ重要な航路となっている。
越洋追跡のコストが高いとの指摘に対し、ピート・ヘグセス長官は、米海軍は地中海、中東、インド太平洋地域を含む世界各地に展開しており、迅速な行動能力を有していると反論した。ピート・ヘグセス長官は、米国の制裁と封鎖は世界のどの海域でも適用されると強調し、原油の押収はベネズエラに圧力をかけ、米国側の要求に応じさせるためであり、応じなければ全面的な経済崩壊に直面することになると述べた。
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