中国当局が多額の資金を投じてオランダASML社の元エンジニア数名をリクルートし、旧型装置を分解するリバースエンジニアリングを通じて、極端紫外線(EUV)露光装置の模倣に成功した。中国側は独自の「EUVプロトタイプ」を完成させたと宣伝している。しかし、オランダメディアは先日、中国には相応の光学技術が欠けており、模倣されたEUV装置では実質的にハイエンドチップを製造することは不可能であると報じた。
最近、中国の官製メディアは、深センの研究開発チームが「技術的障壁を突破」し、「中国独自のEUVプロトタイプ」を製作したと報じた。さらに、このプロジェクトをいわゆる「中国版マンハッタン計画」の重大な成果であると称賛している。この宣伝工作は、オランダの業界関係者の注目を集めることとなった。
オランダの新聞『デ・テレグラーフ(De Telegraaf)』は先日、中国側がASMLのEUV装置を複製したと主張しているものの、光学システムがいまだに中国にとって最大の障壁であると指摘する記事を掲載した。中国は鍵となる光学技術を取得できていないため、模倣したEUV装置だけではハイエンドチップを製造できず、半導体分野におけるASMLのリーダー的地位を揺るがすこともできないという。
同紙は、現在世界中の最新スマートフォンやコンピュータに搭載されているハイエンドチップは、例外なくASMLの装置で生産されているが、それらの装置は最先端の光学技術とシステムの支えがなければ、そもそも稼働すらしないと率直に指摘している。
報道によれば、ASMLの装置がチップの回路パターンをどこまで微細化できるかは、光学システムの解像度向上能力に大きく依存している。ハイエンドチップ製造のため、最新のASML露光機は波長わずか13.5ナノメートルの極端紫外線(EUV)を使用する。ASMLに対し、この光学技術とシステムサポートを独占的に提供しているのは、ドイツの光学機器メーカー、カール・ツァイス(Carl Zeiss)である。同社は1990年代からASMLと深い協力関係にあり、ASMLが商業的展望の不透明だったEUV技術に数億ユーロを投じる決断をした際も、カール・ツァイスは迷わずこれに加わった。
カール・ツァイスの半導体光学部門責任者、クリストフ・ヘンシェ(Christoph Hensche)氏はオランダメディアに対し、「我々は多くの困難な時期、特に2008年のリーマンショック前後を共に乗り越えてきたが、常に解決策を見出してきた」と当時を振り返っている。
ヘンシェ氏は、ドイツ式の「厳格さ」とオランダASML社の「実務的」な文化が、互いによく補完し合っていると述べた。
「ASMLは本来、リスクを負うことを厭わない気質があり、一方で我々は深く分析し、着実に進める傾向がある。しかし、最終的には共にリスクを取ることを選んだ。製品を適切なタイミングで、通常は早ければ早いほど良い時期に市場へ投入しなければならないと、双方が理解していたからだ」とヘンシェ氏は語る。
記事によると、ASMLは2016年に10億ユーロを投じ、カール・ツァイスの半導体事業の株式24.9%を取得した。現在、ASMLの第2世代EUV露光機の核心的な改良も、カール・ツァイスによる継続的な技術突破、特に光学システムの開口数(NA)の向上に依拠している。同時に、ASML自身も光源、コンポーネントの精度、システム設計に膨大な労力を注ぎ込んでいる。
これに先立ち、ロイター通信は今月17日の報道で、関係者の話として、中国政府がオランダの半導体装置大手ASMLの元エンジニア複数をリクルートし、リバースエンジニアリングの手法を用いて、深センの厳重警備された研究所内で「極端紫外線(EUV)露光機」のプロトタイプを製造したと伝えていた。この装置は2025年初頭に完成し、テスト段階に入ったという。
同報道によれば、この極秘プロジェクトのために中国側は半導体専攻の大学卒業生を100名以上動員し、ASMLの旧型装置を解体させ、任務が完了するごとにボーナスを支給したとされる。現在の中国製EUVプロトタイプは極端紫外線を発生させることには成功しているものの、実用可能なチップを実際に生産する段階には至っていない。
また関係者によると、この突破口は中国側が約6年を費やし、高度な機密保持のもとで進めてきたプロジェクトだという。習近平の側近であり、現在の中共中央科技委員会主任である丁薛祥氏が主導し、ファーウェイ(Huawei)が重要な調整役を担っている。多額の報酬で招かれた元ASMLエンジニアたちは、実験場では偽名を使用しており、その多くは最近退職した中国系の元従業員である。
ロイターの報道は、中国の研究開発チームが当初ASMLのEUV装置を実寸大で複製しようとしたものの失敗し、最終的に装置の容積を拡大することで出力を高める手法をとったと伝えている。そのため、模倣されたEUV装置はASMLのオリジナルよりも大幅に巨大化している。現在の中国にとっての最大のボトルネックは、精密な光学システムの欠如である。中国が独自に開発した代替案によって、2025年初頭にテストを開始することはできたものの、その技術水準は欧州の先進技術と比較して、依然として大きな開きがある。
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