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EUが対中レアアース依存に警鐘 中共の輸出規制を批判

2025/11/28
更新: 2025/11/28

EU(欧州連合)のステファン・セジョルネ高官が最近、警告を発した。中国共産党(中共)が世界のレアアース供給をほぼ全面的に掌握しており、欧州は「驚くほど大きな」戦略的依存のリスクに直面しているということだ。セジョルネ氏はさらに、中共が欧州企業に課している輸出許可の条件は「まるで恐喝のようだ」と批判し、EUに対して供給ボトルネックの解消に向けた努力を一層強化するよう呼びかけた。欧州委員会は来週、一連の計画を発表する予定で、重要鉱物の供給における自立を目指している。

11月25日、EU産業担当委員のステファン・セジョルネ氏は、ストラスブール市で開かれた欧州議会で演説し、中共が今年4月と10月に導入したレアアース輸出規制は「欧州を直接狙ったものにほかならない」と述べた。企業が輸出許可を得るには「企業秘密」を含む機微な情報を提供することを求めており、このやり方は「まるで恐喝のようだ」と非難した。

セジョルネ氏は、現在の輸出許可が「ごくわずかにしか」発給されておらず、その結果、欧州の自動車産業やエネルギー産業が供給の遅れに直面していると指摘した。また、中共への依存を減らすために、欧州は取り組みを一段と強化しなければならないと強調した。

中共は世界全体の約60〜70%のレアアース採掘量と、精錬能力の約90%を掌握している。これらの元素は自動車、電子機器、エネルギー、さらには軍事技術に至るまで極めて重要だ。中共政府は10月、輸出制限をさらに拡大し、対象を12種類のレアアース元素に広げたほか、技術やノウハウ、さらに少量でも中国産レアアースを含む外国製品まで規制の範囲に含めた。

米中交渉の後、中国側は10月の新たな措置を1年間停止すると発表したが、4月に導入された規制は依然として継続している。

欧州委員会は12月3日に「RESourceEU」と名付けられた包括的計画を発表する予定で、共同調達、在庫管理、リサイクルを通じて重要鉱物の自主供給を確立することを目指している。

同時に、EUは欧州域内でのレアアースの生産や精錬を加速させ、リサイクル能力の向上も図る方針だ。昨年施行された「重要原材料法」によると、EUは2030年までに重要鉱物の25%をリサイクル由来にする目標を掲げているが、現時点では1%にも満たない状況だ。

新たな鉱山開発には10年〜30年を要するという課題に対応するため、EUはアフリカ、南米、東南アジア諸国との協力を積極的に進めている。計画では、これらの国々が単なる原料輸出にとどまらず、現地加工を行えるよう支援する方針だ。

セジョルネ氏は、このような協力が「双方に利益をもたらすウィンウィンの関係になる」と述べた。