アメリカ連邦上院は11月18日、超党派による「台湾保証実施法案」を可決し、国務省に対して、米台間の交流に当たっての自主的な制限を撤廃するよう検討を求めた。
アメリカ下院は5月に異議なしの口頭表決で「台湾保証実施法案(Taiwan Assurance Implementation Act)」を可決しており、上院も今回同法案を通過させたことで、成立に向け大きく前進した。
アメリカが中華民国と断交して以来、国務省はアメリカの外交、軍事、その他の官僚と台湾の政府関係者が接触する際の「レッドライン(越えることを禁じた基準)」を定めた文書を策定してきた。「台湾保証実施法案」の中心的な理念は、これらの制限を打破することにある。
法案によれば、国務省が提出する評価報告には、現行の指針が米台関係を深化・拡大させ、二国間関係の価値と重要性を十分に反映しているかどうかを明記しなければならないとしている。
さらに法案は、対台交流指針において、台湾が民主的なパートナーであり、普遍的人権と民主的価値を尊重する自由で開かれた社会であることを十分に考慮するよう求めている。関連指針は、台湾との関係の扱いが、二国間の長期的で包括的、かつ価値に基づいた関係を反映し、両岸問題の平和的解決に資するものでなければならないと定めている。
これについて、台湾人公共事務会(FAPA)の総会会長、林素梅氏は、米台間の高官交流における自主的制限を解除し、その正常化を促すことは、2018年にトランプ大統領が署名・発効した「台湾旅行法」の精神に完全に合致すると述べた。アメリカの政策は、台湾の高官による訪米および米政府要人との直接交流を明確に奨励しているという。
林氏はまた、今回の「台湾保証実施法案」はより広範な意義を持ち、特に現在、中共(中国共産党)が台湾に対する軍事的威嚇や政治的圧力を強化する中、インド太平洋および世界における権威主義的影響力を拡大している情勢を踏まえ、アメリカが台湾への確固たる支持を改めて明示する必要があるとの見方を示した。
同氏は、この法案によって米台両国のより高いレベルでの直接的な交流と対話を促進し、米台関係をいっそう深化させるだけでなく、アメリカの地域安全保障に対する長期的かつ揺るぎないコミットメントを国際社会に示すことになると語った。
林氏は、米議会が米台間の高官往来の拡大を強く支持していることを背景に、トランプ大統領とルビオ国務長官による台湾の頼清徳総統との正式会談が一刻も早く実現することを期待すると述べた。
さらに林氏は、米台高官会談はより明確で強固なメッセージを発するものであり、中共にはアメリカと台湾のいかなる交流にも干渉する権限がないことを示すことになると強調した。こうした訪問や会談は、アメリカが台湾の民主主義を断固として支持していることを改めて確認するだけでなく、米台関係のさらなる正常化を後押しし、両国のインド太平洋地域における実質的な協力関係を一層強化する契機となると述べた。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。