国民民主党の玉木雄一郎代表は30日の記者会見で、自民党総裁選をめぐって小泉進次郎農水相の陣営が配信動画に「やらせコメント」を書き込むよう支援者に依頼していた問題で、「重大な問題だ」との認識を示した。
玉木氏は「多くの自民議員があまり重大だと認識していないように見えることが、もっと重大だと思う」と指摘した。
波紋を呼んだのは、小泉選対で総務・広報班を務める牧島かれん元デジタル担当相の事務所から陣営関係者に対し、インターネット上の動画配信に小泉氏を称賛する投稿を依頼していた問題だ。投稿の中には、高市早苗候補ら他陣営を誹謗する内容も含まれていたという。牧島氏は班長を辞任した。
この問題について、玉木氏は「国政選挙などにおいても同じようなことをやっていたのではないかという疑念が生じる」と述べ、「有権者の公平で公正な判断を歪めている可能性がある」と懸念を示した。
また、近年外国勢力が他国の選挙に介入している問題についても言及し、「(介入問題を)規制しなければならない」のに、「国内で政権与党が率先してそういうことをやっているとなると、外国勢力からのいわゆるインフルエンスオペレーションに対して適切な対策を打つ正当性を失ってしまう点で重大な事案だ」との見方を示した。
そのため、「自ら検証して、投票日までに公表すべき。自民党はもうちょっと深刻にとらえるべき」と指摘。「誰がどういう意図でどういう命令系統でどういう形態で何をしようとしていたのかについて速やかに調査すべき」とした。
「総裁選の結果についての正当性も揺らぐ。その人が総理大臣になったら、根っこの正当性が揺らいだ中で、権力行使をしていく」状態になるとも述べた。
小泉氏は26日の記者会見で、「私自身知らなかった」と述べ、「一部に行き過ぎた表現があったことは適当ではない。再発防止を徹底し、引き続き緊張感を持って総裁選に臨みたい」と強調した。
自民党総裁選は、小泉進次郎農相のほか、小林鷹之元経済安全保障相や茂木敏充前幹事長、林芳正官房長官、高市早苗前経済安保相が立候補。10月4日に投開票され、国会議員票295票と全国の党員票295票、合わせて590票で争う。

ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。