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米台が共同軍事演習を実施 中共を強くけん制

2025/08/29
更新: 2025/08/29

今年に入り、米国と台湾の軍事協力は一段と強化されている。米ミシガン州で実施された大規模演習「ノーザン・ストライク(北方打撃)」には、米軍7,500人超と台湾軍500人余が参加し、初めてインド太平洋を想定したシナリオが採用された。演習内容は中共を意識したもので、米国は異例にも一部を公開し、台湾への深い関与と中共への抑止の意思を鮮明に示したとみられる。

米軍の準機関紙「星条旗新聞」によれば、演習はミシガン州五大湖地域で行われ、両軍が共同訓練を実施した。従来は欧州を前提としていた米軍の作戦シナリオも、今回はインド太平洋に重点が置かれ、米国の戦略的関心の移行が明確に示された。

ドイツ公共メディア「ドイチェ・ヴェレ」は、米国防総省が通常は中共の反発を避けるため台湾の参加を公表しないと指摘。今回の情報公開は極めて異例で、米国が台湾との緊密な連携を国内外に示す狙いがあると分析した。台湾内の「対米不信」を和らげるとともに、中共への強い警告の意図もあるとみられる。

台湾国防大学政治作戦学院前院長の余宗基氏は、今回の情報公開を米国の台湾安全保障への強固なコミットメントを示す重要なシグナルと位置づけた。米国は台湾陸軍部隊に「マルチドメイン(多領域)作戦」を含む実戦的訓練を提供しており、州兵部隊は台湾の予備部隊訓練も支援。都市戦やドローン戦などの最新戦術を伝授し、この取り組みが中共に対する強力な抑止力となると指摘した。

台湾国防戦略・資源研究所の蘇紫雲所長は、「ノーザン・ストライク」演習が台湾軍の即戦力向上に寄与すると同時に、米台間の政治的信頼関係を象徴していると評価。両国の防衛協力は今後さらに深化すると見られる。

一方、米国在台協会(AIT)の谷立言所長と台湾国防部長の顧立雄氏は最近会談し、米台の防衛協力について協議した。

さらに、英「フィナンシャル・タイムズ」は27日、米国防総省傘下の国防イノベーション機関が年内にも台湾に連絡官を派遣する計画を報じた。連絡官の主な任務は、ドローンや軍民両用技術分野での協力促進と、台湾ハイテク産業との連携構築とされている。

台湾政府も防衛強化を急いでいる。行政院は最近、2026年度中央政府予算案を承認し、国防費は過去最高の311億ドル、GDP比3.32%となった。今後も国防費の引き上げが続く見通しとしている。