【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。

ウクライナ軍が中国人兵士2人を捕虜に 中露は沈黙

2025/04/12
更新: 2025/04/12

ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、ウクライナ軍がロシア軍を支援して戦闘に参加していた中国人2人を捕虜にしたと発表した。この件に関して、ウクライナは中国の外交官を召喚し、「この事実を非難し、説明を求めた」としているが、中国共産党(中共)政府とロシア政府は明確な回答を避けている。中国外務省は9日に「現在確認中」とし、モスクワ当局は「コメントしない」と述べた。

ゼレンスキー大統領は、「我々はウクライナ領内で中国兵を捕虜にした。ウクライナ軍はドネツク地方のタラシフカ村とベロホリフカ村で6人の中国兵と交戦し、そのうち2人を捕虜にした」と語った。

4月8日、ゼレンスキー大統領はSNSプラットフォーム「X」に投稿し、ウクライナ軍が2人の中国兵士を捕らえたことを確認した。「彼らはロシア軍の一部として戦闘に参加していた」と述べ、「身分証明書や銀行カード、個人情報が発見された」と明らかにした。また、「占領軍には、この2人以外にも多くの中国人がいるとの情報がある」と指摘した。

さらに、投稿には捕虜となった1人の男性が尋問されている様子を映した動画も添付されていた。

ウクライナ外務大臣シビハ氏は、中共大使館の臨時代理大使を召喚し、「この事実を非難し、説明を求めた」と述べた。また、「中国市民がロシア軍としてウクライナ侵攻に加わることは、中国が主張する平和的立場に疑問を投げかけるものだ」と指摘した。

元北京弁護士、頼建平氏は次のように語る。「中国人がロシアを支援し、ウクライナに対する侵略行為に加担している可能性がある。一つの考え方として、これは個人の行動であり、親ロシア派として自発的にロシアのために戦っている場合が考えられる。しかし、もう一つの可能性は、中共政府からの任務を受けて戦場に派遣されたケースだ。この場合、それは国家の行動であり、国家の命令に基づくものだ。彼らは民間の傭兵や志願兵として偽装し、侵略戦争に参加しているかもしれない」

頼建平氏は、中共政府が軍人を派遣して参戦させた可能性が高いと考えている。

頼建平氏は次のように述べている。「戦争では命が失われる危険がある。現在の中国人の道徳観から見ると、個人的な利益もなく、大きな報酬もない状況で、自発的に命の危険を冒してまでロシアのために戦うことは非常に考えにくい」

ロシア・ウクライナ戦争が始まって3年が経過し、中共は一貫してロシアに多様な支援を行っている。

専門家たちは、中共が秘密裏に技術者や軍事関係者を派遣し、戦争に関与している可能性が高いと指摘している。

オーストラリア在住の歴史学者、李元華氏は次のように述べている。「中共が関与する場合、電子機器や高度な技術の提供が考えられる。また、軍事関係者は新しい武器や特定の装備品を試験するために、戦場での第一手の情報を得ようとするだろう。その結果、新しい武器や装備品が実際に使用可能かどうかのフィードバックも得られるため、中共はこの戦場を実験の場として活用したいと考えているだろう」

今年1月、ウクライナ軍は戦闘中の北朝鮮兵士2人を捕虜にした。

今年1月、トランプ氏は政権復帰後、中共への対応を最優先課題として掲げ、ロシア・ウクライナ間の戦争終結交渉にも取り組んでいる。

李元華氏は次のように述べた。

「中共はロシア・ウクライナ戦争を利用し、ヨーロッパや米国の注意とリソースを引き寄せ、自国の覇権主義的野心を進めようとしている。トランプ氏は政権復帰後、中共を米国の最大の敵と位置づけているが、同時にロシア・ウクライナ戦争の早期終結を目指している。しかし、この戦争が続く限り、中共には猶予があり、各国が中共問題に集中できないため、戦争の終結を望まないだろう」

ゼレンスキー大統領は、アメリカやヨーロッパ、そして世界中の平和を望む全ての人々に行動を呼びかけている。「アメリカは今日の状況にもっと注目すべきだと思う」と述べた。

ゼレンスキー氏はキーウでの記者会見で、「北朝鮮の兵士がロシア側でウクライナ軍と交戦し、中国の兵士もウクライナ領内で活動している。この問題について協力国との議論が急務だ」とも語っている。

米国務省のタミー・ブルース報道官は8日、このニュースを「非常に憂慮すべきもの」と表現した。さらに、「中共はロシアの侵略行為の主要な推進者である」と指摘し、中国政府がロシアに軍民両用製品(機械工具や電子部品など)を供給していることにも言及した。