政府は、3月24日に新設される陸海空の自衛隊を、一元的に指揮する「統合作戦司令部」の初代司令官に、統合幕僚副長の南雲憲一郎空将を起用することを決定した。この人事は3月11日の閣議で承認された。
南雲氏は、1989年に航空自衛隊に入隊し、航空幕僚監部防衛部長や西部航空方面隊司令官を歴任。2023年3月から統合幕僚副長を務めている。今回の任命により、南雲氏は、陸海空の各自衛隊を一元的に指揮する役割を担うことになると言う。
統合作戦司令部は、陸海空の自衛隊を一元的に指揮し、平時から有事までシームレスに、領域横断作戦を実現するための常設の統合司令部だ。この新設により、統合作戦の指揮が一本化されるようになり、迅速な事態対応や意思決定が可能になる。また、米軍との調整も強化され、日米共同対処能力が向上すると言う。統合作戦司令部は、統合幕僚監部とは異なる役割を持ち、自衛隊の運用を一元化して指揮する機能を担うのが目的だ。同部隊は東京市ヶ谷に約240人の体制で発足する予定だ。
南雲空将を起用する理由
11日、中谷防衛大臣は、閣議後会見で、記者から南雲空将を起用する理由について問われ、次のように答えた。
「統合作戦司令部の新設によりまして、自衛隊の運用に関して、平素から部隊を一元的に指揮できるようになります。事態の状況や推移に応じた柔軟な防衛態勢を、より一層迅速に構築することが可能となります。また、統合による作戦や同盟国・同志国の司令部との情報共有、運用面での協力を一元化できるために、統合運用の実効性を向上するものと考えております。あわせて、日米間においても、平時、緊急事態における相互運用性及び日米間の共同活動に係る協力の深化が促進されるものと期待をしております。人事におきましては、正に適材適所で考えておりまして、南雲空将は、統合幕僚副長として自衛隊の統合運用をこれまで支えてきております。今後は、陸・海・空自衛隊を一元的に指揮する統合作戦司令部の初代司令官として、これまでの経験や培った見識を活かして、今申し上げました統合運用の実効性の向上や日米間の連携の促進にリーダーシップを発揮されるということを期待をいたしております。このような観点で司令官に指名したということです」
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