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トランプ大統領 5年ぶりの合同会議演説へ 知っておくべきこと

2025/03/04
更新: 2025/03/04

トランプ大統領は、3月4日に米議会の上下両院合同会議で演説を行う予定だ。トランプ氏にとって5年ぶりの合同会議での演説であり、先月ホワイトハウスに復帰してから初めてとなる。

トランプ氏は政権発足数週間、驚異的なスピードで政策を推進しており、42日間で100件以上の大統領令に署名し、行政機関の役割を大幅に見直している。不法移民への取り締まり強化、米国の国際的役割の大幅な変更、連邦機関の解体や大規模なリストラを伴う再編など、大胆な政策を次々と実施している。

上下両院ともに共和党がわずかな多数派を握っており、議会の動向は、大統領の主要な公約を実現する上で極めて重要となる。特に、大規模な追加減税を含む法案の資金確保には、議会の承認が不可欠だ。

一方で、トランプ大統領の就任以来、100件以上の訴訟が提起されている。さまざまな団体や非営利組織が、大統領令に対して法的な異議を申し立てており、ワシントンの民主党は「憲法上の危機を引き起こしている」と批判。トランプ政権が特定の連邦機関を解体し、議会が承認した予算の執行を拒否していることを問題視している。
 

トランプ演説の見どころ

トランプ大統領は3月3日朝、自身のトゥルース・ソーシャルに「明日の夜は大きなものになる」と大文字で投稿し、演説では「ありのままを語る」と宣言した。この演説では、就任以来1か月で実施した大規模な政策変更について説明し、今後の政策方針を示す場となる。

2月28日、トランプ氏とヴァンス氏はゼレンスキー氏との会談で対立し、ロシア・ウクライナ戦争の停戦合意が不透明な状況となった。

ゼレンスキー氏は、レアアース(希土類)鉱物資源の提供と引き換えに、安全保障の保証を求める経済協定を提案しているが、トランプ政権はこの協定を当面棚上げする方針を示している。

トランプ氏は、政府の無駄を削減するため、政府効率化省(DOGE)を通じた連邦機関の監査と組織再編を進めている。DOGEは、財政の無駄を削減し、非効率的な機関の見直しを行い、大規模なリストラを実施することを目的としており、これに対して労働組合やNGOが次々と訴訟を提起している。また、イーロン・マスク氏のDOGEへの関与も議論の的となっており、トランプ氏は演説でその役割についても触れる可能性がある。

トランプ氏の2024年大統領選の主要公約の一つである不法移民の取り締まりを、演説の主要テーマとする見込みだ。トランプ政権は、南部国境での亡命申請プロセスを停止し、難民の受け入れを一時停止している。

また、不法移民の子供に対する出生地主義の撤廃を目指しているが、すでに2つの連邦裁判所が、この措置を阻止している。

貿易政策と関税も演説の中で取り上げられる可能性が高いとされ、メキシコとカナダからの輸入品に対する25%の関税が3月4日をもって再開される。さらに中国からの輸入品に対する追加関税を、10%引き上げる方針が示されている。

ホワイトハウスは、これらの関税措置を「米国製造業の復活と貿易の公平性を確保するための施策」と説明しているが、反対派は「貿易戦争の激化」と「インフレの加速」を懸念しており、企業側も輸入税の増加による価格上昇を示唆している。

なぜ一般教書演説ではないのか?

合同会議での演説は、毎年恒例の「一般教書演説」と似ているが、目的が異なる。

一般教書演説は、大統領が過去1年間の実績成果を振り返り、今後の政策方針を示すのに対し、合同会議演説は、新たに就任した大統領が、今後の政策方針を示すためのもので、大統領の2年目、3年目、4年目に行われることが多い。

トランプ氏は130年以上ぶりの「非連続の2期」大統領として、残り4年で達成すべき政策を説明することになる。

民主党の対応を誰が行うのか?

また、トランプ氏の演説直後の午後10時(米東部時間)には、民主党が反論を行う予定である。エリッサ・スロットキン上院議員が公式な民主党の反論を担当し、アドリアーノ・エスパイアット下院議員がスペイン語での反論を行う。また、ラティーファ・サイモン下院議員が、進歩派の「労働者家族党(ワーキング・ファミリーズ党)」を代表して反論を行う。民主党は、マスク氏のDOGE関与への批判や、トランプ政権のインフレ対策への懸念を強調するとみられる。

今回の演説では、ウクライナ支援の見直し、政府再編、不法移民政策、貿易政策など、トランプの2期目の政権運営における主要な課題が語られる見通しである。

エポック・タイムズで国家政治、航空宇宙、航空業界を担当する記者である。以前は「サラソタ・ヘラルド・トリビューン」でスポーツ、地域政治、速報ニュースを担当していた。