バイデン大統領のUSスチール買収禁止命令に経団連がコメント

2025/01/07
更新: 2025/01/07

経団連は、6日、日本製鉄によるUSスチール買収計画に対するバイデン大統領の禁止命令について、深い遺憾の意を表明するコメントを発表した。

米国との経済的パートナーシップを重視する経団連は、この決定を「誠に残念である」と評価し、日米間の長年の信頼関係に悪影響を及ぼす可能性を強く懸念している。経済安全保障を理由とした今回の禁止命令は、日本が米国の最大の投資国であり、最も信頼できる同盟国であることを考慮すると、極めて異例の対応と受け止められている。

経団連はコメントで、「本買収計画は、米国にとって重要な社会インフラ・産業の基盤となる鉄鋼の米国内での生産拠点やそれを支える労働力の維持・強化に貢献すると期待されるものである。日本は、米国の最大の投資国かつ同盟国であるにも関わらず、経済安全保障を理由にこうした決定がなされたことに対し、今後の対米投資、さらには日米経済関係への影響が憂慮される。米国政府には、こうした懸念を払拭すべく適切な対応をしていただきたい」と述べた。

経団連は、この決定が今後の対米投資に与える負の影響を特に警戒しており、日米経済関係の将来に対する深刻な懸念を表明している。昨年9月には、対米外国投資委員会(CFIUS)の議長であるイエレン財務長官に直接書簡を送り、公正な審査を求めるなど、外交的努力を重ねてきた。

今回の禁止命令は、単なる一企業の買収計画を超えて、日米間の経済外交に大きな波紋を投げかけることとなった。経団連は、両国の経済的相互依存関係を維持するため、対話と相互理解の重要性を改めて強調している。