防衛と外交 両輪で挑む日本 自民党が提案する外交力強化

2024/12/13
更新: 2024/12/13

自民党は、急速に変化する国際情勢と複雑化する安全保障環境の中で、日本が自国の安全と利益を守りながら平和と安定に貢献するためには、防衛力と外交力を「車の両輪」として強化することが不可欠だと強調している。

12月3日、自民党の外交部会・外交調査会・国際協力調査会は、石破茂首相と岩屋毅外相に対し、「外交力の抜本的な強化」を求める決議を提出した。この決議では、外務省予算の拡充、職員増員、在外公館の質的向上を柱に、国際課題への迅速で的確な対応を目指す体制整備を求めている。

外務省予算の拡充

自民党はODA(政府開発援助)やOSA(政府安全保障環境強化支援)を戦略的に拡大する方針を示した。地球規模課題の解決やグローバルサウス諸国との連携を強化し、自由で開かれた国際秩序を維持する役割を果たすことを目指す。

また外交活動の基盤となる人材について、国際的な交渉力をさらに高め、日本の利益を守る外交力の向上が求められる中、働きやすい環境の整備や能力を最大限発揮できる人材育成体制を重要視する。

職員増員

また自民党は外交の現場で迅速かつ適切に対応できる体制を構築することを目的に、外務省職員数の大幅な増員が必要だとし、2030年代初頭までに職員数を8千名とする目標を掲げている。

在外公館の質的向上

在外公館は邦人保護の最前線であり、緊急事態対応や日本人学校の安全確保と情報保全対策において重要な役割を果たすものとして、施設の新設や老朽化した建物の修繕を含む計画的な改善を進めることが提案された。日系人や親日派の育成支援、経済・文化発信拠点としての機能も強化すると考えられる。

さらに、公邸料理人の待遇改善や、在外公館の機能強化も求められている老朽化した施設の修繕や新設を計画的に進めることで、邦人の安全確保や情報保全対策の向上を目指す。また、公邸料理人の待遇改善や文化発信拠点としての役割強化も提案されている。政府は250公館体制の実現を目指し、小規模公館の人員増強と機能向上に取り組む計画だ。

国際情勢の変化と日本の役割

ロシアによるウクライナ侵攻、中国共産党の急速な軍事力拡大、北朝鮮の核・ミサイル開発など、力による現状変更の動きが広がる中、自民党は普遍的価値を共有する国々との協力は、日本の平和と安全を守るために欠かせないと述べている。サイバー空間や宇宙領域といった新たな脅威への対応も求められているとしている。

外交部会・外交調査会・国際協力調査会は、日本は、経済大国としての責任を果たしつつ、国際社会での存在感を高める必要を訴えている。そのため、国際平和維持活動や政府開発援助を通じた貢献に加え、国際ルール形成やリスク軽減への主体的な取り組みが重要だ。外交力の強化は、国際社会の安定を築き、衝突を未然に防ぐ手段として、今後さらに重視されるべきだとしている。