闇バイト対策で「仮装身分捜査」検討 高市氏トップの自民調査会

2024/12/05
更新: 2024/12/05

高市早苗前経済安全保障担当相を会長に据える自民党の「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会」は5日、闇バイトによる強盗事件が相次ぐ事態を踏まえ、対策を強化する緊急提言をまとめた。近く石破首相に提言する。

警察官が身分を隠して捜査する「仮装身分捜査」の導入を検討するよう明記。運転免許証などを使ってバイトに応募し、犯行実態の捜査を行えるようにすることを求めている。

提言では、仮装身分捜査が実行犯の検挙に有効だと指摘している。

「仮装身分捜査」は、捜査機関が犯罪を誘発するような働きかけ、実行された際に検挙する「おとり捜査」とは異なり、犯罪が起きる前に摘発する。

他の国でも「仮装身分捜査」(身分秘匿捜査)を実施している例がある。アメリカやドドイツ、オランダ、イギリスなどで、組織犯罪対策、テロ対策およびカウンターインテリジェンスなど様々な目的で仮装身分捜査が実施されている。

闇バイトでは匿名性の高い通信アプリが利用されていることから、アプリなどを提供する事業者に厳正な本人確認を求め、順守しない場合のサービスの提供を禁止することも検討する。

闇バイトは、トクリュウの活動手段の一つとして利用されている。高額報酬を謳い、SNSを通じて若者を犯罪に巻き込む危険な手口として認識されており、政府や警察も対策に乗り出している。

匿名性が高いため、犯罪組織の関与が見えにくい。被害者を装った強盗や詐欺行為、密輸などの犯罪行為を要求する。実行犯は一度の報酬で終わる「使い捨て」とされることが多い。

警察庁は、「闇バイト」は犯罪の実行者を募集するものであり、応募者は使い捨てにされる危険性が高いと警告している。

闇バイトに関与してしまった場合や、情報を見つけた場合は以下の窓口に相談・通報することができます。

●警察相談ダイヤル:#9110
●最寄りの警察署
●都道府県警察本部の少年相談窓口:専門知識を持つ相談員や少年補導職員が、適切な助言や指導を行っている。
インターネット・ホットラインセンター