トランプ前大統領が27日、初めてニューヨーク市のマディソン・スクエア・ガーデンで選挙キャンペーンの演説を行った。
数万人の支持者を前に、トランプ氏はインフレの終結、南部国境の安全確保、ウクライナと中東での戦争終結など、多岐にわたるテーマについて語った。これまでにも繰り返し触れてきたテーマが多かったが、いくつかの注目すべきポイントがあった。
家族介護者向けの税額控除
トランプ氏は、自宅で家族を介護する家族向けの税額控除を提案した。
「今日、新たな政策を発表する。それは、親や愛する人を自宅で介護する家族のために、税額控除を支持するというものだ。彼らが評価されるのは、もうそろそろだよね? 彼らは国に多大な貢献をしているのに、これまで全く評価されてこなかった。でも、これからは話題にしていく」
トランプ氏は具体的な内容には触れなかったが、今年夏に発表された共和党の政策綱領には、これに似た政策が示されている。
「共和党は、在宅シニアケアへの資源配分を見直し、介護労働者不足を招く阻害要因を撤廃し、無給の家族介護者を税額控除や規制緩和によって支援する」と綱領に記している。
ハリス氏は今月初め、高齢者向け在宅介護サービスをカバーするためにメディケアを拡大することを提案した。
「小さな秘密」
トランプ氏は、フロリダ州のマット・ゲーツ下院議員(共和党)に向けて「小さな秘密」と称するコメントをし、これが共和党にアメリカ下院の支配権を維持させる助けになると語った。
トランプ氏は「私と一緒なら、下院議員を当選させ、上院議員も当選させることができる。上院は比較的簡単に取れるんだよ」と述べた。
現在、共和党は下院でかろうじて多数を維持している。FiveThirtyEightの分析によると、共和党は選挙に向けて52対48の僅差のリードを保っており、クック・ポリティカル・リポートでは、24以上の下院選挙が競り合い、結果が予測困難とされている。
グーグルCEOからの電話
トランプ氏は、最近繰り返し語っている話として、グーグルのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)から電話を受けたことに言及した。ピチャイ氏は、マクドナルドでのキャンペーンイベントに関する記事が、これまでにないほどのアクセスをグーグルにもたらしたと話していたという。
「スンダーから電話がかかってきた。グーグルのとても賢い男だ。彼がこう言ったんだ。マクドナルドの話題で、これまでにないくらいのアクセスがあった。正確に言えは違っているかもしれないが、それに近いことを言っていた」
グーグルはコメント要請に応じなかった。
トランプ氏は、以前ジョー・ローガン氏(アメリカ合衆国の総合格闘技のカラーコメンテーター)とのインタビューでも同じ話をしている。トランプ氏はペンシルベニア州のマクドナルド訪問で、フライドポテトの調理場で短時間働いたり、ドライブスルーで客とやり取りしたりする様子が見られた。この訪問は、マクドナルドで働いた経験があると語ったハリス氏に対する応答の一部でもあった。
トランプ氏は今月初め、グーグルのトップに電話し、自身のキャンペーンに関する記事の検索結果について苦情を言ったと述べている。
トランプ氏は10月15日、シカゴ経済クラブでのフォーラムで「彼らはとてもひどい扱いをするんだ、本当にひどい。もし20の良い記事と20の悪い記事があったとしたら、誰にでも両方あるものだが、グーグルには悪い記事しか出てこないんだ」と述べた。
「この間、グーグルのトップに電話して言ったんだ。『最近、いい記事が増えているのに、グーグルで見つからないんだ』って。全く仕組まれていると思うよ」
マスク氏を称賛
トランプ氏は約5分間にわたり、ペンシルベニア州でトランプ氏の選挙運動を行ってきたスペースXのイーロン・マスクCEOを称賛した。
巨大なスターシップブースターが無事に着陸した際、トランプ氏はマスク氏と電話をしていたことを明かした。高度40マイルから減速しながら落下し、着陸地点のタワーの上で可動式のアームによってキャッチされた233フィートのスーパー・ヘビーブースターの映像を初めて見たときの話だ。
「私は彼に電話してこう言ったんだ。『イーロン、あれは君の仕業か?』と。成功の4分後くらいだった。彼が『そうだ』と言ったので、『イーロン、君は天才だ、天才だ』と話した。」
「それから、こう尋ねたんだ。『ロシアにそれができるか?』『できない』。『中国にそれができるか?』『できない』。『君以外にできるやつがいるか?』『誰もできない』」とトランプ氏は続けた。
「そして彼(マスク氏)はこう言ったんだ。『他の誰にも、10年は無理だろう』」。
マスク氏は、トランプ氏を支援する政治活動委員会に数千万ドルを寄付している。トランプ氏がマディソン・スクエア・ガーデンのステージに立つ前に、マスク氏は短くスピーチをし、トランプ氏の妻であるメラニア氏を紹介した。
エリック・アダムス氏について
トランプ氏は、ニューヨーク市長のエリック・アダムス氏がバイデン政権の国境政策に反対する発言をしたことで、起訴されたと主張した。
「アダムス氏が『ニューヨークにやってくる移民の問題は持続不可能だ』と言ったとき…『これは実現不可能で良くない』と優しく言ったんだ。それを聞いた私は、彼がこれを言ったから起訴されるだろうと思った。そして1年後、彼は本当に起訴された」とトランプ氏は述べた。
トランプ氏は、アルフレッド・E・スミス財団の年次ディナーでのスピーチでも同様の主張をしている。
アダムス氏は昨年、移民問題がニューヨーク市を「崩壊させる」とし、問題の解決が見えないと発言していた。
トランプ氏の集会前、アダムス氏はトランプ前大統領への最近の批判を退け、マディソン・スクエア・ガーデンでのイベントが予定通り実施されるべきだと述べている。
市長室はコメント要請に応じなかった。
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