マルコ・ルビオ議員 上院へ「法輪功保護法案」を提案

2024/08/08
更新: 2024/08/08

アメリカ議会下院は、「法輪功保護法案」の下院提出法案を全会一致で承認した。さらに、マルコ・ルビオ上院議員は最近、中国共産党(中共)の暴力的な行為を止めるための3つの関連法案を上院に提出した。これらの法案の中で、アメリカ政府に対して、制裁対象者のリストを作成し、中共の臓器移植に関する方針と実際の状況を、報告するよう求めている。

中共が法輪功学習者から強制的に臓器を摘出する行為は、中国国内で依然として続いている状況だ。下院で「法輪功保護法案」が全会一致で可決されたことを受けて、マルコ・ルビオ議員は7月31日に上院提出法案の「法輪功保護法案」を提案した。

この法案では、法輪功学習者からの強制臓器摘出に関与している者に対する制裁を求め、またアメリカ政府に対して、制裁対象者リストの作成と中共の臓器移植に関する方針と実態の報告を、提出することを要請している。

上院に提出された「法輪功保護法案」の共同提案者として、上院議員のロン・ジョンソン議員、ロジャー・マーシャル議員、トム・ティリス議員の名前も挙がっている。この法案では、中共による強制的な臓器摘出に関与した人々を制裁対象とし、ビザ取り消し、民事・刑事上の罰金の徴収、あるいは投獄が行われることになっている。

カナダ民主運動団体の会長であり、元北京の弁護士である頼建平氏は、この法案の重要性について次のように語っている。

「この法案が重要なのは、単なる指針から法的な規範へと昇格し、連邦法としての地位を確立することにある。国家の法律としての地位を得ると、その影響力は格段に増し、強制力も強まる。これはアメリカ史上初めて、法輪功学習者が生体臓器摘出の犠牲になることに対して、強力な保護措置を設けたことを意味している」

カナダ在住の中国系作家、盛雪氏は次のように述べている。

「アメリカ下院で『法輪功保護法案』が可決されたことを受け、上院でも同法案が通過すると信じている。中共は1999年7月より法輪功への迫害を開始し、非人道的な手法で弾圧を加えてきた。中でも、法輪功学習者からの強制的な臓器摘出は、まさにジェノサイドだ。現在、多くの証拠が明らかになり、政治家をはじめとする多くの人々がこの罪を認識し始めている」

また、ルビオ議員は「中国共産党に対する制裁法案」を提出した。この法案は、人権侵害や抑圧、暴力的に踏みにじる行為を行う中共の官僚及びその成人の家族に対する制裁を目的としており、彼らのアメリカにおける財産取引やビザ発行を禁止するものだ。

賴建平氏はこのように述べている。

「中共の法輪功への迫害、さらには宗教信者への迫害は、非常に極端で狂気じみており、邪悪さが極まっている。アメリカは、中共が法輪功に対して行っている残酷な迫害をはっきりと認識しており、その証拠も多数把握している。事実に基づく証拠がなければ、議会で公然と主権国家を非難することはあり得ない。アメリカは、中共が法輪功学習者に対して行っている臓器摘出についての明確な証拠を持っており、これは西洋社会、特にアメリカの政治界において、法輪功学習者が尊重されていることを示している」

また盛雪氏は次のように指摘した。

「中共の法輪功への迫害はさらに激しくなっており、社会の様々な分野や階層において人権状況が深刻に悪化していることが見て取れる。このような状況に対処するために、法的な手段は世界に警鐘を鳴らし、中共の罪悪を止めるための最も効果的な方法だ」

盛雪氏は、中共による臓器摘出の犯罪が中国で20年以上も続いていると述べ、国際社会はこれ以上の罪悪が繰り返されないように、強力な措置を講じるべきだと強く主張している。

盛雪氏は以下のように指摘している。

「この種の犯罪は、もっと早期に阻止されるべきだった。私は20年以上もの間、アメリカをはじめとする自由民主主義諸国が、中共に対して抱いていた幻想や、経済貿易関係を過度に優先させたことが原因だと考えている。現在、アメリカのみならず他の自由民主主義国家にも「法輪功保護法案」に似た法律を制定する必要があると思うようになった理由もここにある。国際社会は、中共による強制的な臓器摘出をこれ以上見過ごしてはならない」

2008年には、イスラエルが公的医療システムを利用して、市民が中国で受ける臓器移植に関する費用の支払いを、禁じる法律を施行した。それ以降、多くの国々が同じような措置を取っている。

「反強摘器官医生組織(DAFOH)」に所属する医師たちは、「法輪功保護法案」が世界で最も大規模な被害者集団である法輪功学習者の保護において、極めて重要な役割を担っていると述べている。

アレハンドロ・サンチェス医師は、「証拠は圧倒的で、信頼に足るものだ。最初の証拠は2006年に内部告発者から提供されたもので、それから長い年月を経て、さらに多くの証拠が積み上げられてきた」と話している。