社会問題 仕事をしているフリ

開館前から長蛇の列 中国の図書館は失業者の「避難所」

2024/07/20
更新: 2024/07/20

「今は収入がないから、コーヒー1杯だって無駄にはできない……」

中国経済が悪化の一途をたどるなか、いまやスターバックスカフェに代わって、無料で利用できる公共図書館失業者が「避難所」として利用するケースが増えている。

北京や上海、広東省など多くの都市で、公共図書館が毎日のように「満員」、なかには開館前から長蛇の列ができている。

広東省深セン市にある「深セン図書館」での平日の混雑ぶりを捉えた動画が物議を醸している。

館内にいる人の多くは「失業者」であるという。しかも、家にいると家族に心配かけてしまうため、仕事に行くふりをして図書館に来ているのだ。

なかには持参してきたパソコンで履歴書を書いたり、動画やゲームを楽しむ人も少なくない。

深セン市の公式データによると、今年第1四半期に4万人以上が新たに失業者として登録され、過去最高を記録した。

エアコン、白湯、コンセントなどが無料で提供され、お金をかけずに快適に過ごせる図書館、しかし、そこは「一時避難」することはできても、食べ物はない。
 

(失業者であふれる広東省深セン市の図書館)

 

(失業者であふれる広東省広州市の図書館)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!