三中全会を前に「ゴミの時間」という言葉が流行、中共は反論

2024/07/16
更新: 2024/07/16

中国共産党(中共)の長期的な経済政策などの方針を決める重要会議、三中全会の開催が間近に迫る中、中国では「歴史のゴミの時間」という言葉が広まり、共産党系メディアがこれに対して反論を行っている。この流行は一体何を意味しているのだろうか? 

最近、ネット上に「歴史のゴミの時間」という言葉が流行っている。この言葉は社会の発展が経済の基本原則に反しており、全体的な状況が失敗に終わると断定される期間のことを指す。

中国経済は現在、持続的な悪化傾向にあり、店舗の閉店、大規模な解雇、そして失業の増加に直面しており、国民は困難な状況に立たされている。

多くの中国国民が「歴史のゴミの時間」という言葉を使って、現在の状況を間接的に批判している。

ネット配信者「83萌叔」は「住宅価格の下落、企業の利益減少、結婚率と出生率の低下、学歴の価値の低減など、多くの人が『歴史のゴミの時間』を実感している」と述べている。

7月の初めに、中国国際金融会社の女性社員が、株式市場と不動産市場の不振、さらには給料のカットという三重の苦しみに耐えかねて、自ら命を絶つという悲報が伝えられ、社会に衝撃を与えた。ある財経の専門家は、「ゴミの時代に投資するべきではない」と警鐘を鳴らしている。

時事評論家の李林一氏は「この言葉は、中国の人々が抱える絶望感を反映している。彼らは、現在の時代や状況を極めて悪いものと捉え、そこから『歴史のゴミの時間』という言葉が生まれた」と語っている。

この言葉に対して、中共の公式メディアが反論を展開した。「北京日報」は7月11日に、このフレーズを使って嘆き、皮肉を込めて絶望感をほのめかす人々を批判する記事を掲載した。

中国問題の専門家、王赫氏は、「これは中共の従来のプロパガンダが完全に失敗したことを物語っている。このような状況下で、中共は『ゴミ時間論』の深刻さを認識し、それが中共にとっての致命的なダメージだと理解している。そのため、彼らは積極的に反論に出るのだ」と述べた。

中共は15日から、重要な会議を開催しているが、分析によれば、ちょうどこの時期に出現した流行語は恐怖を感じさせているようだ。

王赫氏はさらに次のように述べている。「この言葉は、中国の一部のエリート層と多数の市民が、中共の政治状況に対して持っている深刻な見解を反映している。すなわち、党の政治体制は失敗に終わり、その失敗はもはや取り返しのつかないものだ。これにより、人々は絶望感を抱いている。この言葉の流行は、社会の根底にある深い心理状態を表しており、中国が大きな変革の時を迎えていることを暗示している」と述べている。