中国トップ企業が次々とリストラに着手

2024/07/13
更新: 2024/07/13

中国経済が継続して低迷する中、失業率が高まっている。主要な産業を支える大企業では、大規模な人員削減と給与の削減が進められている。約2億人が非正規雇用での就労を余儀なくされ、国民の生活は厳しいものとなっているのである。

「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」の最新の分析によると、中国の主要企業23社のうち、昨年は14社が人員を削減し、残りの9社は給与を減額した。

これらの企業は、不動産、IT、自動車、金融の4つのセクターで中国全土で市場価値がトップ5に入る企業や、3大電気自動車メーカーを含んでいる。

特に不動産業界では、5社が昨年、従業員数を減らしている。保利地産は16.3%の人員を削減し、1万1千人がその影響を受けた。緑地控股は従業員を14.5%削減し、6万人が職を失った。

IT業界では、アリババとテンセントが人員を削減し、年初にはバイトダンス、京東、クイックハンド、滴滴出行、ビリビリ、微博も人員削減に動いた。

台湾の南華大学の副教授、孫国祥氏は「中国本土の内需市場が縮小傾向にある。これまでは小中規模の企業での人員削減が目立っていたが、最新の報告によると、より計画的で広範囲にわたる人員削減が行われており、国内市場にも深刻な影響が出ている」と述べた。

金融業界に目を向けると、国営の大手証券会社や基金会社が給与や福利厚生の削減を進めている。

これらの措置が従業員に与える影響は多岐にわたる。例えば、最近では中金公司(ちゅうきん こうし)の30歳の従業員である鄭雯露(てい ぶんろ)さんが、給料の大幅な減少と住宅ローンの負担に耐えかねて飛び降り自殺したというニュースがインターネットで広まった。

時事評論家、唐靖遠氏は「中国の経済状況を沈没しつつあるタイタニック号にたとえるなら、鄭雯露さんの悲劇は多くの人々が現実に気づくきっかけとなり、すでに船体の上部にまで海水が浸入していたことを実感させる出来事だった」と語る。

大企業が続々と人員を削減する中で、失業する若者が増え、フリーランスとして働く人の数も増加している。配達員、ライブ配信者、ライドシェアのドライバーなど、新たな職種に就く人が増えている。

中共(中国共産党)の国家統計局が発表した情報によれば、過去3年間でフリーランス労働者の数は約2億人に達し、全労働人口の23%までを占めている。また、広州市交通運輸局が提供したデータによると、昨年の9月から今年の5月までの間に広州市内のライドシェア用車両は24.4%増加し、合計で12万1200台となり、ライドシェアドライバーも9400人増加したことが分かる

しかし、中共当局が実際のデータを隠している可能性があるため、公にされている情報よりも実態はもっと深刻な状況である可能性も懸念されている。