インドネシア住民 中国資本の採掘に抗議

2024/06/13
更新: 2024/06/13

6月11日、インドネシア北スマトラ州の数十人の住民が、中国企業による採掘が農民の生計に影響を及ぼす可能性を懸念し、中国大使館前で開発計画の中止を要求して抗議した。

中央社によると、北スマトラ州ダイリ県(Dairi Regency)から来た住民や非政府組織「ヤヤサン・ディアコニア・ペランギ・カシ(YDPK)」は11日の正午、ジャカルタ南区にある中国大使館前でデモを行った。抗議者らは横断幕を掲げ、旗を振り、農作物を使った演劇で、中国企業による採掘が農民の生計に及ぼす影響を風刺した。

伝統衣装を着たダイリ県の住民、レイニー(Rainim Purba)さんは中央社に対し、「今日、中国(共産党)大使館に来たのは、中国企業がインドネシアのダイリ・プリマ鉱業会社(Dairi Prima Mineral)に融資して採掘計画を支援していることに非常に失望していることを、中国(共産党)政府とインドネシア政府に知ってもらいたい」と述べた。

住民の声と専門家の警告

抗議しに来た住民らは、採掘が環境に大きな破壊をもたらし、水源を汚染して農業に影響を与え、住民の日常生活に深刻な影響を与える可能性を懸念している。そのため「中国(中共)政府とインドネシア政府がこの採掘計画への支援を停止すること」を強く求めている。

レイニーさんは次のように述べた。

「私たちは何世代にもわたってダイリ県に住んでいる。採掘が私たちの生活や農地を脅かすことを懸念している。だからこそ、今日はここに来て声を上げ、中共大使館に訴え、インドネシアにいる中国の人々にも私たちの不安を知ってもらいたい」

YDPKの報道官、モニカ・シレガール(Monica Siregar)氏は「当地は自然災害が頻発しており、採掘には適していない。多くの専門家の研究によると、この地域での採掘は不適切だ。したがって、もし鉱山が稼働を開始すれば、それは大災害となるだろう」と指摘した。

同氏によれば、地元住民は政府が発行した開発許可に対して訴訟を起こし、この案件を最高裁に提出している。

YDPKは中国有色金属建設の公式発表を引用し、インドネシアのダイリ・プリマ鉱業会社が4月27日に、親会社である中国有色金属建設から2億4500万ドルの融資保証を受けたことを明らかにした。

シレガール氏は、「この採掘計画が住民に害をもたらすという証拠は多くある。にもかかわらず、インドネシア政府と中国企業はこの計画を推進し続けている。私は、中国(中共)政府がこの開発計画の融資に対して回答し、現地での採掘計画を中止するよう求める」と批判した。

米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は、ダイリ・プリマ鉱業会社の所有構造について報じた。同社の株式の51%は中国企業「中国非鉄鉱業集団」の子会社である「中国非鉄金属建設有限公司」が所有し、49%はインドネシアの石炭大手「ブミ・リソーシズ(Bumi Resources)」の子会社「ブミ・リソーシズ・ミネラルズ(Bumi Resources Minerals)」が所有している。