中国、主要国営企業で給与削減と未払い相次ぐ

2024/05/30
更新: 2024/05/30

中国経済が停滞する中、影響は多くの業界に及び、主要国有企業が存亡の危機に直面している。給与のカットや支払い遅延が増えているのだ。

河北鋼鉄集団は中国で2番目に大きい鉄鋼企業グループで、いくつかの鋼鉄子会社を有している。その中の宣化鋼鉄のある従業員、王さんは、経済の厳しい状況の中で、会社が生産拠点を唐山に移した後、宣化鋼鉄のオフィスビルが取り壊され、従業員の給料も削減されたと新唐人に話した。

王さんは次のように述べている。

「昨年から今年にかけて、私たちの平均給与は約10%下がった。月給3千元の従業員は300元減、月給1万元の人はおおよそ1千元減少している。私の給料も1千元以上下がった。全体として約10%の減少だ」

王さんによれば、河北鋼鉄集団は大規模な国営企業で、数多くの子会社を抱えているが、現在、これらの子会社で給与や年金の支払いが、長期間滞っている状況が続いているとのことだ。

「たとえば、実業会社や機械工場などの子会社では、給料が支払われていない状況があり、年金に関しては7年、8年、時には10年も支払われていないケースがある。これらの子会社は、経営が必ずしも標準に則っていない可能性がある」と王さんは語る。

王さんが勤める国営企業の成績は、下降傾向にあり、かつては2万人を超える従業員がいたものの、現在は約1万3千人にまで減少している。現在、同社は大規模な解雇は行っていないが、一部の社員には早期退職を勧めたり、他の子会社へ転勤を促すことで人員を再配置し、何とか状況を維持している。

1954年に設立された大手の国営企業である陝西建設機械株式会社は、西安に本社を構えている。同社の元従業員である胡氏は、新唐人に対して、現在の中国の経済状況は芳しくなく、多くの地方政府が財政的に苦境に立たされている。インフラプロジェクトの停滞により、工場の業績が大きく落ち込んでおり、給与の未払いが発生していると述べている。

胡さんは「私たちの勤務地は西安ですが、数か月間給料が支払われていない状況だ」「給料が未払いになってから3か月が経つ。以前の同僚からもそのことを聞いた」と話した。

胡さんによれば、陝西建設機械工場はかつてはとても有名で、従業員数は、最盛期には3千人を超えていたそうだ。

上海のランドマークである東方明珠タワーの鋼鉄フレームは、この工場で作られたもので、彼自身もその輸送作業を手伝ったことがある。しかし、今は工場の業績が、大幅に下降しているとのことだ。