ロシア・ウクライナ戦争の最前線に投入された中国人たちが「ロシアも中国も私たちを見捨てた」と助けを求めている。
最近、ソーシャルメディアには、ロシア軍に志願入隊したとされる中国人が戦場で経験したことを暴露する映像が多数アップされている。
ある映像には、中国広東省出身だと明かした男性が登場し、「ロシア軍は私たちを人間として見ていない。中国人を最も危険な地域に投入している」とし、「数十人のうち6~7人だけがかろうじて生き残った」と話した。
別の映像では、中国人男性のスン・ルイさんは「ロシア駐在の中国大使館に連絡して助けを求めたが、大使館側はこれを無視した」と明らかにした。
そして、「どうか助けてほしい。今、体調が非常に悪いのだが、ここには治療を受けられる病院もない。早く中国に戻らなければならないようだ」と訴えた。
軍事専門家でエポックタイムズのコラムニストであるスティーブン・シャー氏は、「中国人がロシア軍に志願入隊したのは、中国共産党が自国民を洗脳した結果」と指摘した。
続けて「中国共産党は、党の指示、路線、侵略行為に従順に従うことが正しい行為だと自国民を洗脳している」とし、「宗教団体、少数民族、反体制派に対する弾圧も『国益のためのこと』と宣伝してきた」と述べた。
また、「その結果、一部の中国人が洗脳され、中国と協力関係にあるロシアまで助けようとするようになった」とし、「中国人は中国共産党の醜い実体を知らなければならない」と伝えた。
スティーブン・シャー氏は「ソーシャルメディアにアップされた映像の状況を見る限り、ロシア軍内部の混乱と葛藤が依然として深刻なようだ」と分析した。
また、「基本的にロシア軍の指揮部は下級兵士を消耗品とみなしている。外国人に対する待遇は言うまでもない」とし、「彼らは人間として見られておらず、まるで特攻隊のようだ。実際、彼らは大砲の餌なのだ」と指摘した。
英BBCのロシア版は5日、「ロシア・ウクライナ戦争勃発後、ウクライナで死亡したロシア兵士の数は少なくとも5万人」と報じた。
また、「これは身元が確認された死亡者だけを集計した数値」とし、「実際には10万人以上が命を落としたと推定される」と付け加えた。
報道によると、これには捕虜、志願入隊した外国人、囚人などが含まれているという。
ロシアの戦術への批判
スティーブン・シャー氏は「最近、ロシア軍は『歩兵突撃戦術』でウクライナに対抗している。これは異常で反人道的な行為だ」と指摘した。
歩兵突撃戦術とは、カバーもない最前線に歩兵を投入し、正面から攻撃を仕掛けることだ。兵士たちをいわゆる「銃弾受け」に使っているという批判が出る。
ロシア国防省が8日に公開した映像には、その様子がそのまま映し出されている。
ロシア軍の装甲車は、ウクライナのドネツク州の最前線位置に歩兵を輸送した後、迅速に撤退した。その後、歩兵たちはウクライナ陣地に向かって突進した。
これと関連し、スティーブン・シャー氏は「ロシア軍が戦場に無闇に歩兵だけを投入するのは、先の戦闘で装甲部隊が大きな被害を受けたからだと思われる」と話した。
続けて「軍事的な観点から見ると、ウクライナが勝利するにはこの点を狙わなければならない。ロシアの装甲部隊を完全に無力化しなければならない」と伝えた。
その上で、「そのためには、米国をはじめとする西側諸国がウクライナを着実に支援しなければならない。そうでなければ、状況はさらに悪化する可能性がある」と明らかにした。
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