トランプ氏とハグして話題になった女性、黒人有権者のトランプ支持理由を語る

2024/04/16
更新: 2024/04/16

先日、米ジョージア州でトランプ前大統領とハグし「不誠実なメディアの報道を気にしないで」と言ったことで話題になった女性が、2024年米大統領選でトランプ氏を支持する黒人有権者が増えている理由を語った。

先週、トランプ氏はジョージア州アトランタのレストランで支持者たちと面会した。その際に、政治コンサルタントのミカエラ・モンゴメリー氏が前大統領への支持を表明した瞬間をとらえた動画が公開された。

「トランプさん、メディアが何と言おうと私たちはあなたを支持します」とモンゴメリー氏は述べた。トランプ大統領はそれに応えて彼女に笑顔でハグをした。

その後、この動画が拡散されると、モンゴメリー氏はFOXニュースのインタビューに応じ、黒人有権者がますますトランプ氏に集まっている理由を説明した。

「我々は彼が正直だと感じている。彼の物言いには賛成できないかもしれない、しかし少なくとも彼は私たちにありのままを話してくれる人だと感じている」とモンゴメリー氏。

「私たちは、彼が草むらの中で我々に噛みつくチャンスを待っている蛇だとは感じていない。彼はしっかりと考えを示してくれる人だ」と語った。

トランプ氏はこれを受け、SNSでモンゴメリー氏の発言に「ありがとう! 一緒にアメリカを再び偉大にしよう!」と感謝の意を表した。

モンゴメリー氏の発言は、黒人有権者が今回の選挙でトランプ氏への支持を急激に高めたことを示す一連の世論調査を受けてのものだ。

トランプ支持の黒人有権者

これまで民主党支持者が多かった黒人有権者は、ここ数か月でバイデン大統領支持から離れ、トランプ氏支持を強めているようだ。

最近のニューヨーク・タイムズ紙とシエナ・カレッジの世論調査によれば、2020年10月に当時のトランプ候補に投票すると答えた黒人有権者の割合が4%だったのに対し、2024年2月にトランプ氏に投票すると答えた有権者の割合は23%と、大幅な増加を見せた。

トランプ支持に移行した理由として、有権者らはバイデン大統領のもとで「国が間違った方向に向かっていると感じた」と回答している。

エコノミスト誌の最近の世論調査によると、白人有権者のトランプ氏への支持は安定しているものの、人種的マイノリティ・グループはバイデン氏から離れつつある。最も若い(18~24歳)黒人有権者の間でトランプ氏への支持が最も強く、その内、女性の21%、男性の33%がトランプ氏に投票する予定だと答えた。

また、保守派の黒人有権者の35%が2020年にトランプ氏に投票したが、現在この支持率は46%まで上がっている。

なぜトランプ支持?

エポックタイムズの取材に応じた多くの黒人有権者は、トランプ氏支持へのシフトに拍車をかけている理由として、経済、刑事司法制度、そして公の場で支持を表明する他の黒人たちの影響力という3つの要因を挙げた。

反差別運動ブラック・ライブズ・マター(BLM)の共同創設者であるマーク・フィッシャー氏は昨年12月、エポックタイムズの取材に対し、前大統領支持を公言したのは、自身の選択についてオープンに話したがらない他の親トランプ黒人有権者のために「道を開く」必要に迫られたからだと語った。

ボストンのラジオ局「アーバン・ヒート」でラジオ番組のホストを務める52歳の黒人男性マーブ・ニール氏は、昨年エポックタイムズに「2024年に誰に投票するかはまだ決めていないが、トランプに興味があることは確かだ」と付け加えた。

ニール氏は、当初はトランプ氏の移民に対する厳しい姿勢を支持していなかったが、時が経つにつれ、不法移民の流入を防ぐ厳格な国境警備がアメリカ国民に利益をもたらすことを理解するようになったという。

前出のモンゴメリー氏もインタビューで、黒人コミュニティはしばしばトランプ氏を支持しないよう圧力をかけられると語った。

「メディアは我々がトランプ氏を嫌い憎むよう仕向けている。でも、そうでないことをトランプさんに伝えられてよかった」

「加えて、メディアがどのように意見や人物の認識を歪めてしまうかを目の当たりにし、体験することができたので、私の生徒たちにとっても勉強になった」と述べた。

エポックタイムズはバイデン陣営にコメントを求めたが、本記事掲載までに返答は得られなかった。

The Epoch Times上級記者。ジャーナリズム、マーケティング、コミュニケーション等の分野に精通している。