内部告発者エドワード・スノーデン氏は「ヒーロー」 ケネディ氏、恩赦与えると宣言

2024/04/02
更新: 2024/04/02

米大統領選に無所属で出馬しているロバート・ケネディ・ジュニア氏は4月1日、大統領に就任すれば米国家安全保障局(NSA)の情報収集活動を暴露したエドワード・スノーデン氏に恩赦を与え、「彼が暴露した腐敗と犯罪を調査する」と強調した。

スノーデン氏は元国家安全保障局の職員で、オバマ政権時代に同局の広範な国内監視活動に関する情報を内部告発した。有罪となれば最長30年の禁錮刑を受ける可能性がある中、2013年に米国からロシアに逃亡した。

ケネディ氏はX(旧ツイッター)に投稿した動画声明の中で、スノーデン氏は「政府が多くの法律とプライバシーに対する基本的権利に反して、何百万人もの法を遵守するアメリカ市民をスパイしていたことを明らかにし、重要な公共奉仕を行った。彼の勇敢な行動によって、議会は40年ぶりに情報機関の監視権限を制限した」と述べた。

さらに「私が愛するアメリカは、内部告発者を罰することはない。言論の自由を擁護し、アメリカを民主的で人道的な理想国家に戻すために真実を語る者は、訴追されるのではなく、尊敬されるべきだ」と付け加えた。

スノーデン氏の行動を称賛する人もいれば、裏切り者として非難する人もいる。スノーデン氏は、米国の情報機関が市民の自由を侵害していると考えたため、情報公開を行ったと主張している。

2016年、下院情報委員会はスノーデン氏に関する調査報告書を発表し、スノーデン氏の行動は米国人の安全と国家安全保障を軽視するものだと非難した。

しかし2020年、米連邦高等裁判所はスノーデン氏が暴露した国家安全保障局による大量監視を違法とする判決を下し、これを正当と主張していた米情報機関幹部は真実を語っていないと指摘した。

恩赦を求める嘆願書

ケネディ氏は声明の中で、スノーデン氏に恩赦を与え、米国に自由に戻れるようバイデン政権に圧力をかけるため、少なくとも30万人の嘆願書への署名も呼びかけた。

また「エドワード・スノーデン氏(が告発する)以前は、諜報機関が違法に私たちのすべてのデータを収集し、アメリカ市民をスパイしていることを誰も知らなかった。そのため、同じ情報機関が今、スノーデン氏を犯罪者に仕立て上げようとし、捕虜となっている政治家たちがそのシナリオを支持しているのは驚くことではない」と付け加えた。

さらに嘆願書は、米国防総省の機密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」を暴露したダニエル・エルズバーグ氏やCIA職員だったジョン・キリアコウ氏、スノーデン氏を含む告発者は「政府の腐敗を暴露することでアメリカを裏切ったわけでない」と強調。

「しかし、言論の自由を擁護し、これらの真実の告発者を称える代わりに、今日、政府はジャーナリストや内部告発者を積極的に迫害している」

「ここはソビエト連邦ではない。私が愛するアメリカは反体制派を投獄しない。私たちの祖先は、言論の自由を憲法修正第1条に定めた。もし政府に批判者を黙らせる許可を与えたら、政府はどんな残虐行為も許されることになる」と綴った。

スノーデン氏は現在、アメリカ人の妻リンゼイ・ミルズ氏とロシアのモスクワに住んでいる。同氏は2022年、ロシアへの忠誠を誓い、ロシアのパスポートを取得した。これにより、外国に身柄を引き渡されることはない。

ロシア国籍を申請したもうひとつの理由として、スノーデン氏は、ホワイトハウスが同氏のパスポートを取り消し、出国する試みをすべて妨害したからだと主張している。彼が米国籍を放棄したかどうかは不明だ。