台湾政治家、中共に情報機関の名簿を売り渡す…検察が起訴

2024/03/06
更新: 2024/03/06

台湾桃園地方検察署は3月1日、今年1月の立法委員(国会議員に相当)選に無所属で立候補した馬治薇氏について、反浸透法違反などの容疑で起訴した。中央官庁や情報機関の名簿を中国共産党に渡し、見返りとして政治資金を受け取ったとされる。

検察当局によると、馬治薇氏は昨年4月から5月にかけて複数回中国本土に渡航した。その間に知り合った対台湾工作を担当する2人の人物に、台湾の政治情報を提供し選挙支援を受けることを約束した。

馬治薇氏は工作員に対し、総統府や行政院、監査院、国家安全保障会議、国家安全局の通信連絡網及び名簿をスキャンして提供した。その見返りとして、1万5000米ドル(およそ225万円)の見返りを受け取ったほか、仮想通貨でも資金を受領していた。

検察当局は、馬治薇氏が外国勢力の浸透工作用資金でもって選挙への出馬を試み、台湾の主権と自由民主主義体制に危害を及ぼす恐れがあるとして、懲役3年8カ月、罰金200万台湾ドル(およそ950万円)を求刑した。

2020年に成立した反浸透法は、中国共産党による選挙介入やロビー活動、偽情報の拡散などを念頭に、厳しい処罰規定を設けている。違反した者は5年以下の懲役および1000万台湾ドル(およそ4740万円)以下の罰金が科される。

台湾弁護士の黄帝穎氏は大紀元の取材に対し、立法委員候補者が中国共産党から資金提供を受け、拘留された事例は今回が初となるため、裁判所の判断に関心が高まっていると指摘した。

政治・安全保障担当記者。金融機関勤務を経て、エポックタイムズに入社。社会問題や国際報道も取り扱う。閣僚経験者や国会議員、学者、軍人、インフルエンサー、民主活動家などに対する取材経験を持つ。
関連特集: 台湾・香港