「広西省で客が食べたウサギ料理から、猫の頭が出てきた」。このトピックスは2月26日、中国SNSのホットリサーチ入りした。
昨年、中国では学生食堂や病院の調理場の料理のなかから「ネズミの頭が出てくる事件」が頻発した。そんなこともあり、今回の「猫の頭事件」については、「また出たか」「もう何が出てきても驚きはしないよ」「いちいち反応するのも疲れた」「食卓の上の嘘には、もう慣れているさ」といった、諦め半分の嘆きが広がっている。
問題の「猫の頭事件」は24日、広西省柳州市にある飲食店「銀泰城湘樂匯」で起きた。もちろん店側が自己申告したのではなく、食事客の「何だ、これは?」という指摘で発覚する。
この店で「干鍋(ガングゥォ)」という汁気の少ないウサギ肉の鍋料理を食べていた顧客の1人が、鍋のなかの「とてもウサギのものとは思えない形状の歯と骨」に気づいた。
不審に思った食事客は、すぐに携帯でネット検索したところ、目の前にある骨と歯が「猫のそれと酷似している」という衝撃的な「真相」に辿り着いた。
ウサギ肉だと思って食べていた客は、すでに数口は「猫かもしれない肉」を、お腹の中に入れてしまった。なんとも不運なこの一行は、あまりの衝撃で吐き気を催したという。
食の安全について深刻な疑念を抱いた撮影者は、証拠として、猫のものらしい「鋭い動物の歯つきの肉塊」を持ち帰った。
関連画像はSNSに投稿されて、すぐに話題になった。すると、この「猫らしき肉」を提供したとされる店は、強気の態度で反論した。「客が(猫だと)言っているのは、ウサギの顎の後ろのほうの歯だ。異論があるなら鑑定すればいい。証拠を出せ。推測で物をいうな」。
中共の組織の1つである、共産主義青年団北京市委員会の機関紙「北京青年報」は25日、獣医の話として「歯の形状から見ると、ウサギのものではなく、犬や猫、あるいは他の品種の動物である可能性が高い」と伝えている。
同メディアの取材に応じた店側は、「うちは開業10年になる店で、ずっと良心に従ってやってきた。しかしこの事件の影響により、店には嫌がらせ電話が殺到して、予約の取り消しが相次いでいる」と明かした。また「いま仕入先に連絡したところだ。この件については、その根源から(原因を)調査する」と答えている。
関連トピックスは、ネット上で熱い議論を巻き起こしている。
「管理部門は何をしてる!」「ネズミの頭の次は、猫の頭か。こんなのが、一体いつまで続くのか?」といった当局への非難の声があるほか、「おそらく野良猫(の肉)だろう。ブラック産業が、ついに食卓にまで進出か」「次は龍の頭でも出てこないかな」などの皮肉交じりのコメントも多く寄せられている。
「開業10年、良心に従ってやってきた(這是10年老店,憑良心做事)」という店側の主張について、この言葉は「今年の流行語になりそうだ」という声も出ている。
このほか「猫肉を売って10年」や「人間の頭でないなら、まだ許せるよ」などのゾッとする感想もあった。それらは、ネズミの頭の出現から始まる一連の「食の安全」の危機に対して、中国人が抱いた絶望的な結論であると言ってよい。
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