39人死亡の雑居ビル火災 「出口は塞がれていた」犠牲者の多くが学生=中国 江西

2024/02/01
更新: 2024/02/01

今月24日午後3時過ぎ、江西省新余市の6階建ての雑居ビル火災が発生。少なくとも39人が死亡し、9人が負傷したと中国国営メディアが伝えた。

公開された犠牲者リストによると、39人のうちの31人は学生、1人は教師、1人は工事関係者、6人はホテル従業員だった。

亡くなった学生のうち、ほとんどが20代の大学生だった。彼らは、この雑居ビルの2階の一室で、学校の授業とは別の、あるセミナーに参加していたという。

出火した地点は地下1階で、当時冷蔵倉庫の改修工事を行っていた。工事関係者による誤った操作により、火災が起きたとされている。

また官製メディアは、工事の作業マニュアルに反していたこと、および建物の管理が消防法の基準を満たしていないことが今回の事故の主な原因だと報じている。

火災が起きた雑居ビルには、ネットカフェ、スーパーマーケット、麻雀荘、研修機関、ホテルなどが入っていた。

その日、多くの大学生が2階の一室でセミナーの授業を受けていた。火災が起きた時、部屋の窓は閉ざされており、開かなかった。しかも唯一の出入り口が火に包まれていたため、学生たちは逃げ道を失ったのだ。

中国メディアによると、セミナーが行われた2階の研修室は、唯一の出口のドア付近はとても狭く、一人ずつしか通ることができない上、火災時これらの通路は黒色の濃煙が充満して通れなかった。

ある学生は、火災現場の動画とともに「ママ、ここから出られないよ」と母親にメッセージを送った後、連絡が取れなくなった。

ネット上には、黒煙が激しく立ちこめる建物の様子や、その建物から人々が(マットの上に)飛び降りて避難する場面を捉えた映像が投稿されている。

生存者の1人によると「火災発生時は現場がとても混乱していて、何も見えなかった」という。

しかしこの人は、幸いにも以前に避難訓練を受けたことがあったという。その知識を生かして「暗闇の中では頭を低くし、壁をつたい、光が当たる方向に向かってドアまでたどり着いた。それで火災現場から脱出することができた」と振り返った。

(火災現場の様子。激しい火と煙に追われ、危険を冒して建物から飛び降りる人もいる)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。