中共軍の深刻な汚職に頭悩ます党主席(2) 戦意は低い?中共軍

2024/01/18
更新: 2024/01/18

ロケット軍基地建設の腐敗問題

過去10年間で、ロケット軍のミサイル旅団数は倍増し、少なくとも40に達した。数多くの新しいミサイル基地が建設された。

ロケット軍には、ミサイル工学研究所や工事指揮部がある。ミサイル基地には、発射車の格納庫、燃料貯蔵庫、爆薬保管所、指揮センタービル、訓練施設、兵士の宿舎、将校の住居などがあり、広大な土地を占めている。

基地は大規模な民間住宅地域に匹敵する規模であり、計画レベルも高く、地下部分が特に重要である。建設コストは民間住宅地域を大幅に上回り、数十億から数百億人民元が投じられている。

建材、設備、建設契約からの巨額のキックバックは、民間建築を凌駕し、ミサイル製造よりも利益が大きい可能性がある。

2017年2月21日、重慶の澗陵山地区で「816核武軍工」の地下施設を訪れる観光客。(Wang Zhao/AFP via Getty Images)  

核ミサイル基地は通常のミサイル基地よりもさらに高価であり、地下工事はより複雑で広範囲である。核弾頭の保管、維持、定期的な検査には特別な施設が必要である。中共の核弾頭は500基に増加し、甘粛省の玉門関、ウイグル自治区の哈密市、内モンゴル自治区の杭錦旗、吉蘭泰などの地域で334基の核ミサイルサイロを建設中だが、実際のコストは不明である。

中共のロケット軍における日常の設備や施設の維持、訓練のための費用は決して少なくない。したがって、汚職の存在も不思議ではない。ロケット軍が一掃されることは驚くべきことではない。ロケット軍が中共にとっての切り札なら、汚職の規模もまた切り札級である。そんな毎日を送るロケット軍の将校たちは戦争を望んでいない。

2023年5月12日、上海で開催された「中国ブランドデー」のイベントでは、中共の様々な新型軍艦の模型が展示された。(Photo credit should read CFOTO/Future Publishing via Getty Images)

他の軍種の汚職

外部の評価によれば、中共の1隻の補給艦の建造費は約20億元(約400億円)、054型フリゲートは30億元(約600億円)以上、052D型駆逐艦は40億元(約800億円)以上、055型駆逐艦は60億元(約1200億円)、空母「山東」は210億~270億元(約4200億~5400億円)と見積もられている。

これらの軍艦の製造は、大連や江南造船所に莫大な汚職の機会をもたらしている。工場やドックの新設・拡張、新設備の調達がその一例である。艦載レーダー、ソナー、センサー、通信機器、伝動装置、航行制御システム、各種ミサイルの重要部品も輸入が必要であり、汚職の過程は似ている。海軍と装備部が軍艦や潜水艦を受領、鑑定する際にも利益が生じる。

中共海軍は新しい軍事港の建設を進め、人員、兵舎、訓練施設などを拡大している。また、航空母艦用の航空機訓練基地を南北に各1つ建設した。

これらのプロジェクトでの汚職の規模は、ロケット軍と大差ないかもしれない。軍艦の日常的な維持、検修、航海の燃料や生活必需品の消費も決して少なくない。1隻の軍艦が年に数か月航海すると、燃料消費は数千トンに上り、数百万元になる。数量を偽って転売するのは珍しくない。

2022年11月8日、中共の戦闘機、殲-16Dが珠海航空ショーで飛行した(Photo by VCG/VCG via Getty Images)

殲-16や殲-20の大量生産が進み、瀋陽と成都の飛行機製造工場では大きな利益を上げている。レーダーや飛行制御システムのチップ、重要部品、精密生産設備の購入には相変わらずの腐敗が見られる。

殲-16の単価は、米軍の最新型F-15EXと同等の8000万ドル(約118億円)とされており、殲-20はそれを上回る可能性がある。また、殲-10軽戦闘機も2800万ドル(約41億円)と高額である。中国の飛行機製造コストは労働費用が低いはずだが、輸入される重要部品や生産設備が複数の手を経て価格が数倍に跳ね上がり、リベートが発生していると見られる。

中共空軍は新たに多くの空港と関連施設を建設している。この工事における腐敗は一般の民間空港建設を遥かに上回ると考えられる。元空軍司令官の丁來杭は、北京西郊空港建設の腐敗に関連して逮捕されたと伝えられている。

中共陸軍は比較的貧弱であるが、約100万人の規模の軍隊は、軍服だけでも莫大な費用がかかっている。学校で生徒に要求される制服費用が批判の対象となっている中、そのキックバックが疑問視されているが、それは中共軍の軍服のコストに比べれば些細なものである。

さらに、100万人の兵士が毎日必要とする食料、訓練基地や兵舎、将校の住居の建設規模は他の軍種の数倍にもなり、さまざまな武器や車両の購入、メンテナンス、燃料においても腐敗の余地がある。

中共の戦略支援部隊は、宇宙施設や衛星などを管理し、ネットワーク戦、電子戦、核実験基地なども含まれている。使用される高度な設備のコストは明確にされていない。

2023年7月31日、中共軍の巨乾生上将は中共創設96周年記念の招待会を欠席し、その後もいくつかの重要な行事に出席しておらず、調査が行われているとの噂がある。失踪後、解任された李尚福前国防部長も戦略支援部隊の初代参謀長を務めていた。

過去10年間、中共軍は近代化を推し進め、将校たちは昇進や財を成すために習近平に忠誠を示してきた。しかし、実際のところ戦争を行う意欲は低いとされている。

ロシアとウクライナの戦争は、ロシア軍とロシア式兵器の真の能力を暴露した。巨額の腐敗がある中共軍も、実戦での能力は疑わしいとされている。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。