今月12日、陝西省にある中学校「陝西師範大学楊凌実験中学」は、電気料金が未払いであったため、電力会社から電気の使用を止められたことがわかった。その影響で、学校は臨時休校に追い込まれている。
また、同校の職員によれば、この学校では「電気料金の未払いに加え、教師の給与も3か月分支給されていない」という。
学校が「学校ではなくなっている?」
公開情報によると、公立の中学校「陝西師範大学楊凌実験中学」は、現在、2200人以上の生徒と100人以上の教職員がいる。ネット上では、学校側が生徒の保護者に出す「通知」のスクリーンショット画像が拡散されている。
その通知には「学校は、電気代が未払いのため停電になりました。正常な授業ができないため、午前10時半に子供を迎えに来てください。授業の再開に関しては、通知を待ってください」とある。
子供の失踪・誘拐が多発する中国では、生徒だけで帰宅させることは危険がともなう。そこで保護者に「子供を迎えに来てください」と要請するのは、やむを得ないだろう。
しかし、学校が電気代未払いで停電になり、授業ができないので「臨時休校」とは、一体どうしたことか。そこはもはや、子供たちに授業をおこなう教育の場ではなくなったのだろうか。
河南ラジオテレビ局の取材に対し、同校の職員は「今日は、電力部門が直接学校に来て、電気のブレーカーを下ろしたようだ。そのため生徒を帰宅させるしかなかった。この学校の教師は、3か月以上も給料が未支給のままだ」と話している。
他省の小学校でも「電気がストップ」
昨年3月、河南省信陽市固始県の「第十三小学校」でも、保護者に対して「県政府から長期にわたり、お金が下りてきていない。そのため今朝から、電力供給会社は本校への電力供給を停止した」とする通知を出していた。
停電の影響により、同校ではその日から、日没後の授業を一時停止し、下校時間の調整を余儀なくされた。また、校内の電動扉が使用できないため、生徒は別の出入り口の使用を指示されている。
中国各地の地方政府は、もはや例外なく、極度の財政難に直面している。教育の場である学校にまわす予算もないため、教師への給与も未支給になりがちであるうえ、今また「学校が停電」という異常事態に至ってしまった。
近年、中国各地では、長期にわたる給与未払いの件を巡って、教師たちが学校の校門前で抗議集会を行ったり、集団でストライキを起こす事件が後を絶たない。
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