本当に戦えるのか? 元海軍中佐が語る中共軍の深刻な汚職事情

2024/01/15
更新: 2024/01/15

最近、中国でロケットに水を注入するという話が出た。それも米国の情報機関から出ている。中国共産党(中共)の軍隊が多くのミサイルに使用している燃料は実際には水であり、発射できる状態ではなく、見せかけのためだけに使用されているというものだ。

これは中共の腐敗が生んだ奇跡なのか、それとも単なる失敗した欺瞞戦術の一環なのであろうか?

真相はデマ工作か

元中共海軍司令部の中佐、姚誠氏は新唐人テレビの番組『菁英論壇』で、メディアが報じたロケットへの水注入は液体燃料のミサイルを指しているのではないかと説明している。これらの液体燃料は通常、発射前までミサイルには注入されず、別の場所で保管されている。

通常、液体燃料は保管タンクに入れられているが、士官たちは時々これを使って料理や火鍋を作るという。士官たちが燃料を使い切ると、タンクは空になる。空のタンクは音が異なるため、検査時に対応するために、士官たちは使用済みの液体燃料タンクに水を注入することがある。

つまり真相は、ミサイルに水が注入されているわけではなく、おそらく液体燃料の保管タンクに水が注入されているのである。

ミサイル燃料には固体燃料もあり、航空兵部隊が使用するミサイル(例えば空対空ミサイル)は固体燃料を使用する。姚誠氏によれば、士官たちはしばしばこれを使って火鍋を作るという。

しかも士官たちだけでなく、上官やその家族もこれを使い、時には軍が地元政府の幹部にこの固体燃料を提供して関係を築くこともある。

この燃料は緑色の炎を出し、非常にクリーンに燃焼することで知られている。

中文「大紀元時報」の総編集長、郭君氏は『菁英論壇』で中共軍のデマ戦術が偶然にも露見したのでは?と言っている。

郭君氏によれば、以前、中共軍の軍史を読んだ際、初期の中国共産党の部隊は実弾を持っておらず、敵を威嚇するために、弾薬袋に木片を詰めていたという。このような偽装は中共でなくとも過去の戦争でも頻繁に行われていたと述べている。

例えば、第二次世界大戦中のノルマンディー上陸作戦では、ドイツ軍を欺くため、英国が戦車の戦闘機など全て、わら性のダミー軍団を作ったというエピソードもある。

郭君氏は、こうした偽造は珍しくなく、中共も同様のことを行っている可能性があると指摘している。

例えば、台湾に対する攻撃計画がある場合、米国の介入が予想され、米国を脅迫する目的で、偽の大陸間弾道ミサイル発射サイロや偽のミサイルを大量に造ることで、核戦争のリスクを示唆している。

また郭君氏は、実際に中共が保有している核兵器の数については、誰にも分からないと述べた。推定で800発の核弾頭があるとされているが、2008年の四川省汶川地震の際、被災地の地下には中共の核兵器庫が存在し、多くの核兵器がその地震で破壊されたという独占報道があったと伝えられている。

また核兵器の製造と維持には莫大な費用がかかるため、偽造した核兵器を誇示して、私達を欺いている可能性があると述べた。

郭君氏はこうした手法は中共の一貫した手法であると指摘している。

陸軍より海軍で深刻な汚職問題

姚誠氏によれば、中共軍の汚職は主に軍備分野に存在し、以前は兵站業務を担当していた総後勤部が、現在では兵器・装備品の開発・管理を担当する装備発展部に関与しているという。これらの部門には資金が集中しており、そこから汚職が生じやすい。習近平はロケット軍や装備発展部を厳しく監視し、主に装備費の不足が問題視されている。

姚誠氏は自身の経験を幾つか話した。

姚誠氏はかつて海軍の新装備導入部門で、956型ミサイル駆逐艦に搭載するロシア製Ka-28対潜ヘリコプターの調達を担当していたが、ロシアが価格を上げたため、購入できず、最終的にラオスから盗んで、ハルビン飛行機工業集団でコピー機を生産しようとした。

当時、ハルビン飛行機工業集団の楊守文社長は、このプロジェクトを中央軍事委員会に提案し、数百億元の生産を見込んでいたという。

プロジェクト提案時、例えば100億元の予算を立てると、国防科学技術委員会は通常、15億元を上乗せする。この15億元は総後勤部や工場の運営費に充てられた。これは軍事産業と装備部門が共謀して行ったことだという。

姚誠氏によると、習近平が権力を握ってから、特に海軍において、まるで餃子を作るような速度で軍艦が造られているという。その結果、多くの問題を抱えた軍艦が生まれている。現在、部隊を訪れると、宿泊施設には工場のスタッフが滞在しており、発生した問題は軍隊では解決できず、設計や製造の問題に対応するために工場の支援が必要とされる。

航空母艦が運用を開始して以来、多くの故障が発生し、米軍に笑われる事態となった。これに対し、習近平も非常に怒っている。2018年、海軍の呉勝利司令が逮捕され、調査が行われた。多額の予算を与えられたにもかかわらず、なぜこのような状況になったのか、だから習近平は怒ったのである。

しかし、海軍内部からの反発があったため、呉勝利は短期間で釈放された。習近平は面子を保つため、海軍の副参謀長、宋学を逮捕した。

さらに、ロケット軍の状況がより深刻であることが明らかになった。情報によると、ロケット軍の将官以上の約70人が失脚した。ロケット軍は9つの基地と40の旅団から成り立ち、各基地の司令、副司令、政委、副政委、参謀長は少将の地位にある。

例えば、一つの基地に6人の少将がいれば、九つの基地で54人の少将となる。これにロケット軍本部の将官を加えると、合計で約100人近くになる。

習近平は70人以上を逮捕し、その焦点は装備発展部に向けられた。問題の根源は装備部にあり、ロケット軍だけでなく、装備発展部や軍工部門(軍需産業)も関与しているとされる。そのため、軍工部門でも調査が行われ、いく人かの逮捕が行われた。

中共軍の汚職、独自のブランドを築く

郭君氏によると、中共軍の汚職は文化大革命時代から始まり、中共高官の腐敗と同時期に起きた。当時の大軍区級の将軍たちから汚職が始まったのである。特に改革開放後、江沢民時代にはより一般化し、最高潮に達した。

1990年代には、「南42北27」という言葉が中共軍内で流行った。これは南方で最も裕福なのが42軍、北方で最も裕福なのは27軍を指し、両軍とも中共のエリート部隊であった。

第42軍は広東省恵州市に駐屯しており、香港に近いため、さまざまな密輸に関与していた。さらに、軍隊の列車を直接密輸に利用していた。広東省公安庁は何度もこれを摘発しようとしたが、最終的には数百人の警官と数百人の軍人が銃を持って対峙する事態になった。結局、告発しても解決せず、問題は放置された。

そのため、広東省は軍の密輸を放置することにした。その結果、状況はさらに悪化した。当時、広州では、軍用車両に誰も敢えて触れない状況だった。軍用車両の中に何が積まれているか、何をしているのかは誰にも分からなかった。

例えば、広州軍区の団長の給与は、北方部隊の何倍も高かった。問題は、このような軍官は移動が難しいことだった。彼を北方の蘭州軍区の師長に異動して昇進させようとしても、彼は行かなかった。なぜなら、蘭州への異動は給与の大幅なカットを意味していたからだ。

その当時、広東でホテルやナイトクラブを開くには、裏に公安、武警、軍の支援がなければ不可能だった。官職の売買に至っては、もはや明確な価格が設定されていた。

「北27」とは第27軍のことで、一時期は山西省大同市に駐屯していた。この地域は石炭が豊富で、多くの部隊が駐屯地を掘ると石炭が出るため、第27軍は直接石炭を掘り出して売っていた。

郭君氏によると、これらの問題に比べれば、武器装備の売買などは小さな問題に過ぎない。我々が話している武器装備企業の腐敗は、鄧小平時代から始まっている。当時の北方公司、長城公司、保利公司などは、主に国外に武器を売る会社だった。

これらの企業は、鄧小平が自分の復権を助けた元老たちへの報酬として彼らの子孫が設立した。例えば、王軍家族は軍需産業に携わっている。

軍需企業と装備部は元々国防科学技術委員会の下にあったが、ここは高官の子弟や「紅二代」が集中している場所だ。

中央規律検査委員会はここには手を出せなかった。習近平が北京で官職を求めていた時、これらの人々はすでに大金を稼いで豪華な生活を送っていた。