米サンフランシスコで開催されたアジア太平洋経済協力(APEC、11月15~17日)は、これまでにないほど「異様な雰囲気」のなかで始まり、その異様な雰囲気を一層過熱させながら全日程を終了した。
これほどの「異様な雰囲気」の原因は何か。ひとえに中国共産党(中共)の首魁・習近平が訪米し、出席したことにある。
同会議の期間中、米国をはじめ海外にいる中国の民主活動家や人権活動家、中共の不条理を訴える陳情者のほか、チベット、新疆、台湾、香港などの自由と人権を主張する多くの個人や団体によって、中国共産党と習近平に対する大規模な抗議活動が展開された。
抗議者たちはそれぞれの立場を超え、ともに心を合わせて「打倒、中国共産党(打倒中共)」「END CCP」「共産党は退陣せよ(共産党,下台)」などのスローガンを声高に叫び、横断幕やプラカードを高く掲げた。
習近平は行く先々で、中共領事館が手配した「サクラ役者による歓迎」をはるかに上回るほどの、熱烈な「抗議の出迎え」を受けた。
サンフランシスコ市の警察は、沿道に金網フェンスを設置するなど、APEC開催地として必要な警備を的確に実行した。ただし、習近平に抗議する人々を米国の警察が規制することはなかった。
これに対し、中共領事館に雇われた人間のなかには、明らかに「抗議者への攻撃」を意図する暴漢がいた。彼らは、抗議者に襲いかかって殴る蹴るの暴行を加え、唐辛子スプレーを顔面に噴射するなどの暴力行為が随所で見られた。
(抗議者がうたう「打倒共産党、為人民報仇」の歌。「共産党を打倒して、中国人民の仇を討つぞ」の意)
(抗議者のプラカードにみられる「通商寛衣」とは、2016年に中国杭州で開かれたG20会議で、習近平が中国の故事「通商寛農」を誤読したもの。「寛衣」とは服を脱いで裸になることで、その言葉の通り裸の王様である習は内外の失笑を買った)
(圧倒的な数の抗議者がいる道路の対岸には、中共領事館が雇った「赤い旗」の一群が少数おり、大音量のスピーカーで中共賛美の歌を流している)
(あふれるほどの抗議者の前で、中共領事館に金で雇われた「赤い横断幕」の人員は20人ほど。声も出せず、呆然としたまま圧倒されている)
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