英国大学 ファーウェイから総額290億円の資金提供を受け取る

2023/11/17
更新: 2023/11/17

米メディアのボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、過去5年間に多くの英国の大学が中国軍関連組織から多額の資金を受け取っていたことが調査で明らかになった。英政府が華為技術(ファーウェイ)による地域通信網建設への参加を禁止した後も、大学はファーウェイから約1400万ポンド(約25億9836万円)の資金を受け取っていた。

11月16日、英国シンクタンク・シビタスは、同国の情報公開法に基づき、中国の資金提供問題に関するアンケートを現地の大学88校に送付した。合計46校が回答した。これらの学校は2017年から現在までに、中国から総額1億2200万〜1億5600万ポンド(約182億1983万~約289億5322万円)の資金提供を受けている。

報告書の著者はシビタスの国防・安全保障部門ディレクターであるロバート・クラーク氏。同氏によると、中国軍関連の資金提供の割合は驚くべきものだ。

クラーク氏は記者会見で「英国の大学が受け取っている中国資金の30〜33%、つまり約3分の1は、中国軍と直接関係のある団体からのものだ」と述べた。

報告書によれば、英国の3つの大学、ウェストミンスター大学、ハダースフィールド大学、防衛研究で有名なクランフィールド大学など、中国軍と関係のある組織から中国(中共)の資金提供を受けていたという。これらの資金源の16~20%は、中国共産党(中共)の支配下にある組織、または中国軍との提携で米国の制裁対象となっている組織だ。

最大の中国資金提供者はファーウェイで、提供された資金は2700万ポンド〜3700万ポンド(約50億1485万~約68億7221万円)だった。英国政府は2020年に英国の5Gネットワーク構築からファーウェイを締め出したが、英国の大学はその後、ファーウェイから1390万ポンド(約25億8172万円)の資金を受け取った。

報告書には、「中国の主要な核弾頭研究組織は英国の大学に200万ポンド(約3億7147万円)近くを提供し、中国軍の航空宇宙研究組織は500万ポンド(約9億2855万円)近くの資金を提供した」と書かれている。

資金提供の中には、金額が少ない場合もある。クラーク氏は例を挙げて説明した。「中国最大の極超音速ミサイル技術実験組織が1万ポンド(約185万円)を提供した」

関連研究には軍事的応用も含まれている。中国(中共)は将来的に英国にとって脅威となる可能性があり、このような資金提供を受け入れることは「非常に近視眼的で甘い」