米無人偵察機、沖縄に移転配備 東シナ海監視を強化

2023/11/14
更新: 2023/11/14

米国空軍の無人偵察機MQ-9リーパー8機が、約700キロ南にある沖縄の在日米軍嘉手納空軍基地へと移転中だ。 これまで鹿児島の海上自衛隊鹿屋航空基地に配備されていた同遠隔操作機は、主に情報収集、監視、偵察(ISR)に使用されている。

日本は、中国共産党がこの地域で主張を強めていることを懸念している。 第319遠征偵察飛行隊が運用するMQ-9リーパーは、係争中の東シナ海における中国共産党の活動に監視の目を向ける役割を果たす。 自衛隊と米軍は協力して、無人機と150人以上の航空兵の移転を行っている。

木原稔防衛大臣は2023年10月中旬、「安全保障環境が厳しさを増す中、情報収集能力を含め、日米同盟の抑止力と対応能力をさらに強化していく」と述べた。 「日本周辺国の活動が活発化し、日本の南西地域周辺の海や空域での情報収集の必要性が高まるなか、米国空軍のMQ-9機が嘉手納空軍基地に配備されることで、この地域へのアクセスが容易になり、監視のための時間を増やすことができる」という。

南西諸島は、日本の主要な島々から自治領土である台湾に向かって南西に伸びており、沖縄と、日本が統治しているにも関わらず中国共産党が領有権を主張している尖閣諸島が含まれる。 近年、中国共産党の沿岸警備隊や海軍の船舶が、この海域で日本の漁船を追跡している。

全長約11メートル、翼長約20メートルのMQ-9リーパーは、ミサイルやレーザー誘導爆弾など最大1,700キロの搭載能力があると星条旗新聞は報じている。

8機のリーパーは2022年11月、日本の本島最南端にある鹿屋航空基地に配備された。 「ディプロマット」誌が2023年10月に報じたところによると、同機は中国共産党が日本近海で活発化させている海洋活動を抑止・評価するための任務を遂行していた。

同飛行隊の嘉手納空軍基地への移転は、木原防衛相が10月上旬にワシントンでロイド・オースティン米国防長官と会談した後に発表された。 両国防衛トップは、共同監視活動におけるMQ-9無人偵察機の重要性を改めて確認した、と「ディプロマット」紙は報じている。 一機目のリーパーは同月の末に、「太平洋の要石」として知られるこの地域最大の米軍基地、嘉手納基地に到着した。

中高度長期滞空型のリーパーは、潜在的な引火点を監視し、日米軍関係者からなる情報分析セルを含めた米国軍司令官や同盟国・提携国に情報を提供すると、米国空軍報道官は星条旗新聞に語った。

第319遠征偵察飛行隊司令官のジョーダン・スミス中佐は声明の中で、「我々の航空兵は、このやりがいのある優先戦域で任務を果たすことを楽しみにしている」と述べた。 嘉手納への配備によって、より「リアルタイムの作戦状況」が提供されることになる。

Indo-Pacific Defence Forum