もはや「罰金稼ぎの反社集団」 中国交通警察の悪質すぎる実態

2023/11/05
更新: 2023/11/05

以下は、日本の常識では全く理解できないことなので、結論を先に書く。

「駐車可能エリアに置かれた車を、ドライバーが車を離れた隙に、フォークリフトで駐車禁止の場所に移動させ、罰金を徴収する」。それをしているのは、なんと中国の交通警察である。

違反を「作り出して」でも稼ぐのか?

今月2日、中国の交通警察がおこなった、まさに目を疑うような一部始終を記録した動画がネットに流出した。「罰金を稼ぐため」に、ここまでやるのかと驚きを禁じ得ない。

動画を見ると、街中で白昼堂々、フォークリフトのような重機を使って、きちんと駐車可能な区画内に駐車していた車を、駐車禁止の場所へ移動させている。つまり、駐車違反を「作り出して」いるのだ。

もちろんその後、当該の交通警察は、その車両のドライバーに対して「駐車違反」の切符を切るのを忘れなかった。

まもなくドライバーの携帯電話には、全く身に覚えのない駐車違反の「罰金通知」が届くだろう。所定の期日までに罰金を納めなければ、容赦なく免停などのペナルティが課せられる。恐るべき罠(わな)であり、とんでもない不正行為であるが、それを交通警察がやっているのだ。

 

街中で白昼堂々、駐車可能な区画内に駐車していた車を「駐車禁止」の場所へ移動させるフォークリフト。こうして「違反」を作り出し、せっせと罰金を稼ぐのが中国の交通警察である。(SNS投稿動画よりスクリーンショット)

(駐車可能なエリアに駐車していた車を、罰金とりのため、フォークリフトで「駐車禁止」の場所へ移動する。SNS投稿動画)

 

どこまで続く「交通警察の暴走」

中国の多くの地方政府が今、深刻な財政難にあえいでいる。そのようななか、地方財政を支えるために少しでも市民から罰金を取ろうとしていることは、もはや通常のことであり、珍しいニュースとはいえなくなっている。

それでも、今回のような「不正」は目を疑った。それも法執行者である交通警察ともあろう者が実行するとは、まさに法を踏みにじる行為だ。

実は、今回と似た事例の動画は、1年前から中国版ティックトック「抖音」に投稿されていた。

ある男性が車を道路脇に停めて水を買いに離れた間、どこからかフォークリフトがやってきて、彼の車を持ち上げる。駐車していた地面に、手早く「駐車禁止」のマークを描いた後、車を再度そこへ戻した。

もちろん「しっかりと罰金切符は切られた」という。

 

(ドライバーが水を買いに離れた間、フォークリフトがやってきて、彼の車を持ち上げる。駐車していた地面に、手早く「駐車禁止」のマークを描いた後、車を再度そこへ戻した)

 

やりたい放題の「違反切符」切り

各地の交通警察の「恥知らずな暴走」について、最近あるネットユーザーが自身の経験を明かした。

ある日、車を運転していて、交通警察の検問に出くわした。そのネットユーザー(李さん)は、近くにいた別のドライバー(張さん)から「車体に泥が付着している、など恣意的につけられる理由で、みんな違反切符を切られるんだ」と告げられた。

李さん:「だったら、今のうちに泥を落とそうかな。そうすれば罰金を回避できるかも」

張さん:「いや、そんなことをしても無駄だよ。交通警察が罰金を科す理由を見つけられない時は、車の排気ガスを検査し始めるんだ。もちろん、必ず『不合格』という結果になる。つまり、どうあがいたところで、罰金を取られる運命から逃れられないんだ」

張さんは「ここは運悪かったと思って、時間を無駄にしないようがいいよ」と親切に教えてくれた。

それから、ようやく李さんの番が回ってきた。交通警官は案の定「ものすごく恣意的な理由」をつけて罰金を取ろうとした。その時に、交通警察の口から出た言葉が、すごかった。

「ここで違反切符を切るなら200元(約4,000円)。違反切符を切らないなら半額の100元にしてやるよ。どっちにする?」

要するに、見逃してやる(違反切符を切らない)なら、その「100元」は目の前の交通警官の懐へ入るのである。あきれた李さんは、その警官に直接、こう聞いた。

「ここで『通行料』を払わなかったら、どうせまた次の検問所でひっかかって同じことを要求されるのだろう。それは面倒臭くて困るよ。どうしたらいい?」

この交通警官は、醜い笑いを浮かべながら。こう言った。「それなら、ここで切符を切ればいいだろう」。

さっさと終わらせたかった李さんは「罰金の200元」を現金で支払い、不本意ながら「通行証」代わりの違反切符を切ってもらった。

やれやれと検問を通過した後、なにげなく運転席のサイドポケットに置いた「違反切符」を見て、また驚いた。その領収金額は、なんと「100元」だったのだ。

「あの警官。やっぱり100元は、くすねたのか」

中国の交通警官が、やたらとドライバーに難癖をつけて「罰金」を徴収するのは、枯渇した地方財政の足しにするためだけではない。公的任務より、まずは「自分の懐に入れること」が先決なのだ。

末端の警察官がこれでは、後は推して知るべしである。腐敗まみれの今の中国社会が、正常に機能するわけがない。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。