Filipp Lebedev Mark Trevelyan
[18日 ロイター] – ロシア下院は18日、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を撤回する法案を全会一致で可決した。CTBTを批准していない米国の姿勢に呼応する必要があるとしてプーチン大統領が撤回を求めていた。
ロシアは核実験について、米国が再開しない限り実施しない立場を表明しているが、軍縮専門家はロシアがウクライナ侵攻を続ける中、核実験再開へ徐々に準備を進める可能性を懸念している。
ウクライナ外務省は声明で「CTBTの目的と趣旨を損なおうと意図したロシアの挑発行為」に対し、国際社会が適切に対応するよう求めた。
プーチン大統領はウクライナ侵攻を開始して以来、核の使用をちらつかせてきた。国営テレビがこの日伝えたプーチン氏訪中のニュースでは、核攻撃命令に使う黒いブリーフケースを同行した海軍将校が持つ姿も放映された。
ロシアはCTBT署名国の地位は維持し、核実験の国際監視制度へのデータ提供を続ける方針をこれまでに示している。
ただ、ウォロジン下院議長は17日、CTBTから完全に離脱する可能性に言及。米国には「条約の当事国にとどまるかどうかを伝えるつもりはない」と述べた。
法案は上院での可決を経てプーチン氏が署名すれば成立する。
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