習近平が誤った9つの決断(1)

2023/09/20
更新: 2023/11/14

最近、中国はあらゆる面から異例な事が次々と出ている。習近平氏はG20に参加せず、外交から軍隊までの高級幹部を粛清している。習氏は一体何を恐れているのだろか。政治的安全なのか、それとも身の安全か。
 
習氏は過去にも、外交訪問に過剰な対応をしてきた。しかし今年になるとさらに一層ひどくなり、かつてないほどの事態に至った。現在、刺客だらけでどこも安全ではないようだ。それはなぜだろうか。
 
習氏が権力を握ってから11年間、特に第2任期から、少なくとも9つの誤った決断をした。もたらされた結果の影響は絶えず積み重ねられ、習氏は寝食ができず、気が落ち着かないまま、びくびくしながら日々を過ごしている。

その1  賊を捕らえて王を捕らえない反腐敗運動

習近平氏は中共の最高の政治舞台に登場してから、すぐに反腐敗運動を始めた。
 
2013年、中共党中央政治局常務委員会の常務委員で、党中央規律検査委員会書記の王岐山氏の支持の下、中共政治局の中央から国家機関まで、江沢民や曽慶紅が抜擢した一群の高級幹部が捕まった。
 
その中には、周永康、徐才厚、郭伯雄、薄熙來、孫政才、令計画など、中共の政治舞台で大いに権力を振るってきた者の名があがる。
 
習氏は第1任期の反腐敗運動ですでに「天井がない(地位の高さに限りが無い)」「誰も逃がさない」「誰も超法規的な猶予はない」などの多くの厳しい言葉を言った。
 
しかし、習氏が反腐敗運動で逮捕したのは周永康までだった。江沢民、曽慶紅を逮捕することはなく、「賊は捕らえるが王は捕らえない 」と見なされた。
 
「王を捕らえずに賊を捕らえる」ことは災いをもたらすに違いない。習氏の2期目、3期目における大きな問題の多くは、ここからだ。

その2 先祖からの領土を一寸も譲らないとしながら、売国奴はスルー

習近平氏は、2018年6月27日、北京を訪問中のマティス米国防長官との会談で、「先祖から受け継いだ領土は一寸たりとも失うことはできない」と述べた。
 
しかし、1999年12月9日、江沢民はロシアのエリツィン国家主席と「中露境界線東部及び西部に関する議定書」に調印し、ツァーリズム・ロシアに簒奪された中国北東部の100万平方キロメートル以上の領土をロシアに与えた。

また2002年、江沢民は中国の黒瞎子島(大ウスリー島)をロシアと「ほぼ同等」にすることを決定した。その結果、江沢民は335平方キロメートルの黒瞎子島の半分近く(164平方キロメートル)をロシアに与えた。
 
さらに、中国兵の血で染まった雲南省の老山と者陰山、広西チワン族自治区の法卡山の一部、南シナ海最大の島である浮水洲島も江沢民からベトナムに贈られた。
 
以上のことは、江沢民が現代中国最大の裏切り者であることを示している。
 
習氏は「先祖から受け継いだ領土は一寸たりとも失うことはできない」と言うが、台湾40個分以上に相当する中国領土を譲渡した裏切り者の江沢民を厳しく罰することはしなかった。

 その3 米国と仲良くすると言いながら「米国を最大の敵に」

2017年4月7日、習近氏はトランプ大統領に対し、「われわれには米中関係を良くする千の理由があり、米中関係を悪くする理由はひとつもない 」と述べた。
 
習氏のこの見方は正しい。米国は世界最強の国であり、その市場、資本、技術、人材、サービスはすべて、中国が緊急に必要としているものだ。

米国は中国を最も助けてきた国である。両国関係が深刻に悪化した2022年でさえ、米国は中国経済の最大の顧客であり続け、中国の税関統計によれば、米中の貿易額は7594億ドルに達する。
 
通常、会社を経営しているとしたら、最大の顧客に対してどのような態度を取るだろうか。当然、心から協力するだろうし、最大の顧客を最大の敵として敵視することなど絶対にありえないだろう。
 
しかし、2021年2月25日、青海省祁連県の何斌党書記が、習氏は内部会議で「現在の世界の最大の混乱の原因は米国だ」「米国はわれわれの発展と安全に対する最大の脅威だ」と発言したことを明らかにした。
 
習氏の米国に対する「最大の敵」という見方は世界中に広まった。習氏2期目の任期が始まって以来、米中関係は急速に悪化し、現在、米中の国交樹立以来40年以上で最低の状態にある。
 
(続き)

王有群