[シンガポール 3日 ロイター] – 米国のオースティン国防長官は3日、シンガポールで開催中の「アジア安全保障会議」(シャングリラ会合)で講演し、軍事的な危機管理に中国が真剣に関与していないと懸念を示し、衝突回避には対話が重要だと述べた。
米中関係は台湾問題やスパイ活動、南シナ海の領有権問題などを巡り、この数十年で最悪の状況にある。
オースティン長官は、米中の国防・軍事当局者による開かれた対話は紛争を防止し、アジア太平洋地域の安定を強化するために不可欠だと主張。「中国人民解放軍が危機管理のためのより良いメカニズムに真剣に取り組もうとしていないことを深く懸念している」と述べ、「話し合いの機会が増えるほど、危機や紛争につながりかねない誤解や誤算を避けることができる」との見解を示した。
中国の李尚福・国務委員兼国防相は、米国がシャングリラ会合に合わせて要請していたオースティン氏との会談を拒否していた。
米国防総省によると、李氏とオースティン氏は2日に握手を交わしたが、「実質的な交流」はなかったという。
李氏は4日に講演する。
オースティン氏は台湾問題に関して、米国は台湾の現状維持に「深くコミット」していると発言。「紛争は差し迫ったものでも必然的なものでもない。現在、抑止力は強力であり、これを維持するのが我々の責務だ」と述べた。
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