米サウスダコタ州のクリスティ・ノーム知事は13日、中国などの企業・個人による農地購入を制限する法案を提出した。国家安全保障や食糧供給の安全性が脅かされていると危機感を示し、「中国共産党のような米国を憎む国々による農地買収を阻止する」と強調した。
法案は、知事法務顧問や農業・天然資源省の長官から構成される「米国外国投資委員会」を設立し、外国企業による農地購入の案件を調査する。最終的な農地購入の承認または拒否の決定権は知事が担う。外国組織による農地の譲渡、購入、付与などが調査対象となる。
「中国共産党が米国の食料供給を買い続けることを許さない。州はこの安全保障問題に対する訴えを主導する」とノーム氏は声明で語った。
法案を共同提出したゲーリー・カマク議員は「エルズワース空軍基地のような重要な国家安全保障資源がある以上、敵にサウスダコタの土地を買わせるわけにはいかない」と述べた。
中国企業がノースダコタ州にある米空軍基地近くの農地を購入したことをめぐり、米国では土地購入を阻止する動きが活発化している。同様の法案を提出しているトム・コットン議員によれば、現在14の州で外国企業による土地購入を制限する計画が導入されているという。
米国農務省(USDA)によると、中国人投資家による米国農地の保有面積は、過去10年間で20倍以上に急増。米農家の高齢化により、今後10年間で何百万エーカーもの農地が売買されると予想されている。
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