浙江省温州市の国家安全当局は3日、「国家の安全に危害を与えた」容疑で、台湾出身の活動家・楊智淵氏を逮捕した。米国のナンシー・ペロシ下院議長の台湾訪問に対する報復措置の一環とみられる。
「台湾民族党」の共同設立者である楊氏は、台湾の国連加盟を推進するいっぽう、親中派と言われる台湾の馬英九・前総統に反対するデモや学生運動など、様々な抗議活動に参加していた。
アジア歴訪中のペロシ下院議長は2日夜、中国側の強い反対を押し切り、台湾を訪問した。
滞在中、蔡英文総統と会談したほか、中国当局に「国家政権転覆罪」で実刑を言い渡されたNGO活動家の李明哲氏、天安門事件の元学生リーダーのウアルカイシ氏、中国治安当局に不当拘束された経験をもつ香港の銅鑼湾書店の元店主の林栄基氏らと面会し、人権重視の姿勢を強調した。
ペロシ氏が訪台後、中国側は台湾周辺での大規模な軍事演習や経済制裁など対抗措置を相次ぎ実施し、楊智淵氏の逮捕はその一環とみられる。
(翻訳編集・李凌)
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