英政府は、英ジョンソン首相と岸田首相が13日電話会談したと発表した。英政府発表によると、日英首脳は安全保障、防衛、貿易に関する日英間の連携の深化について意見を交わした。岸田首相とジョンソン首相はかつて同時期に外相を務めていたこともあり、旧交を温める形となった。
ジョンソン首相は、英クイーン・エリザベス空母打撃群の日本訪問や、今後10年の外交戦略「統合レビュー」で示したインド太平洋地域の政策について重視していることを伝えた。また、岸田首相に、今月末に英グラスゴーで開幕する気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)への出席を要請した。
COP26について、岸田首相は検討中だと回答したとされる。岸田首相は、オンラインで参加する見通しだと共同通信などが報じている。
英政府によれば、ボリス首相は日本がネット・ゼロや石炭への国際的な融資を止めることに強くコミットしていることを歓迎した。首相は、COP26に向けて、国内の石炭火力発電の廃止に関する日本の新たな誓約を期待するとした。
ジョンソン首相は岸田首相就任当日である10月4日、自身のツイッター上に「日本は英国にとって最も緊密な戦略的パートナー国の一つです。気候変動、防衛、貿易の促進など日英共通の優先課題において、引き続き協力を強化していくことを期待しております」と書いた。
岸田氏は、「英国は日本のグローバルな戦略的パートナー。外相時代と同様、日英関係をさらに強化するために、緊密に協力していくことを楽しみにしています」と伝えた。
岸田氏は昨年9月、自民党運営のオンライン番組で、ジョンソン首相との外相時代のエピソードを紹介。外交は国益を追求するための対話だが、人対人の関係構築も重視していると強調し、「互いにボリス、フミオと呼び合う仲。忙しい時は夜10時頃からバーを貸し切って外相会談をやるなど、色んな形で人間関係を作った」と振り返った。
(佐渡道世)
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