米大使館、中国国防7校出身者へのビザ不発給が多発

2021/09/17
更新: 2021/09/17

米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)15日付によると、米政府は引き続き、安保上の理由で中国主要理系大学の出身者へのビザ発給を厳格化している。

報道によると、北京理工大学で金融学を学んだ男性は卒業後、米セントルイス・ワシントン大学へ進学した。中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染拡大で、中国に帰国し、大学の授業をオンラインで受けた。このほど、自身の学生ビザを取り消した、と米国大使館から電話連絡があった。大使館は安保上の理由だと説明したという。

北京理工大学だけではなく、北京航空航天大学、南京科技大学、ハルビン工業大学など、いわゆる国防7校の学生のビザ申請が、米大使館に却下されることが多発しているという。ビザ発給を拒否された学生によれば、大使館側は却下の理由にトランプ前大統領が署名した大統領令を挙げていた。

中国の工業情報化部(省)はこの7校を所管している。

いっぽう、中国国営航空機メーカーに勤務するエンジニアの男性も同行家族ビザ申請を拒否された。男性の妻は訪問学者として、米カリフォルニア州の医療機関で小児がんの研究を行っている。

男性自身はハルビン工業大学で学士号と修士号を取得している。

トランプ前政権は、中国当局は中国人留学生や研究者を利用して、米国の軍事技術やハイテク技術などを窃盗していたと批判した。昨年6月1日に発効した大統領令10043(Proclamation 10043)は、中国軍につながりのある中国人留学生と研究者が学生ビザ(Fビザ)、または交流訪問者ビザ(Jビザ)の取得を禁じた。

中国メディア「澎湃新聞」の報道では、今年7月、中国当局は訪中した米国のウェンディ・シャーマン国務副長官に対して、中国人留学生のビザ規制を撤廃するよう求めた。

7月8日、在北京の米国大使館は声明を発表し、ビザ発給の厳格化は「米国の国家安全利益を守るのに必要だ」と示した。

(翻訳編集・張哲)