公正取引委員会(公取委)は、自社の検索サービスを不当に優遇し、競争を制限したとして、米Google社に独占禁止法違反を認定し、初の排除措置命令を出す方針を固めた。
主な違反行為
- スマートフォンメーカーに対し、アプリストア「Google Play」の使用許諾を条件に、自社検索アプリ「Google Chrome」を搭載させ、特定の位置に配置するよう求めていた。
- 競合他社の検索アプリを搭載しないことを条件に、検索連動型広告サービスの収益を分配していた疑いがある。
これらの行為により、遅くとも2020年以降、競合他社を排除し、自社を優遇する形で取引先の事業を不当に制限していたとされる。
公取委は2023年10月に審査を開始し、処分案を同社に文書で通知している。最終決定は意見聴取後に下される予定である。
世界規模での規制強化
公取委がアメリカ巨大IT企業に対して、排除措置命令を出すのは今回が初めて。Apple、Google、Amazonなど「GAFAM」と呼ばれるアメリカの巨大IT企業をめぐり、アメリカやヨーロッパの当局も規制を強化している。
アメリカでは、コロンビア連邦地裁が2024年8月5日、Googleの検索市場での独占状態を違法と認定する判決を下した。さらに、米司法省は同年11月19日、Googleを保有する親会社アルファベットに対し、インターネット検索エンジン「Chrome」の売却を命じるよう裁判所に求める方針を固めた。Googleはこの判決に対して控訴の意向を示すとともに、独自の是正案を公表している。
欧州委員会は2019年、Googleの検索連動型広告サービス「AdSense」に関し、市場競争を阻害したとして、約14億9千万ユーロ(約1800億円)の制裁金を科した。このような動きは、ビッグテック企業による市場支配を抑制し、公平な競争環境を守るために必要な取り組みの一環である。
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